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はじめてのゆっくりSS ゆっくりよめないね! ある所に変わったゆっくり魔理沙が居ました。ですが、見た目も大きさもも全く同じです。 その子はたった一つだけ変わったところがありました。そのおかげでいつも独りぼっち。 そのせいでゆっくりすることができませんでした ですがその子は信じていました。いつか何処かゆっくりできる場所があると ―――とある森の中 「おーーいそっちに居るかーー?」 「いやーー全然いないな」 二人の男が大きな籠を背負い人里近くの林を歩いている。 「粗方ここ等辺のゆっくりを取りつくしてしまったのかね?やっぱり山狩りが効いたのかなぁ」 「まぁそうらしいな。いずれ増えるとは言え、居て欲しくもない時にたくさん居やがる癖に こういう時に限って居ないとはな…冬になる前にできるだけ捕まえて宵越しの銭を稼ぎたいってのによ」 2人の男がため息をついてると何処からともなくか細い声が聞えてきた 「むきゅー!むきゅー!ゆっくりしんでね!」 「おい…この声」 「間違いない…ゆっくりパチュリーだ。今日はツイてるぜ」 2人の男は顔見合せると互いに頷き静かにそこへ近づいた。そして物陰から声のする方を覗くと意外な光景が目に入 「むきゅー!むきゅうー!偽ものはゆっくりはやくしね!」 ゆっくりパチュリーがゆっくり魔理沙に圧し掛かり、ゆっくり魔理沙が押しつぶされよう・・・・・と言う風には見えず、2匹でじゃれあってるようにしか見えない。 しかしゆっくり魔理沙の方はかなり衰弱してるらしく、涙とその他体液でグチョグチョになりながらも必死に逃げようともがいている ゆっくり種の中で最弱であるゆっくりパチュリーにゆっくり魔理沙がゆっくり苛められているという何ともきみょんな光景が繰り広げられていた。 「や゛あ゛あ゛ぁー!おあちゅりー!お゛れ゛ま゛り゛さ゛いじめないでだぜー!」 「おれまりさはゆっくりしね」 男達が驚いたのはその光景でなく別の事だった。男たちは茫然と互いを見るとすぐさま我に帰り動きだした ガボッ! 「む…むきゅ…む…」 ゆっくりパチュリーの顔面に小石がのめり込みゆっくりパチュリーあっさり息絶えた ゆっくり魔理沙は突然の事に呆然としたが我に返り、目の前に突然現れた男達に弱弱しくか細い声でこう言った 「おにいさんたちはゆっくりできる人だぜ?」 2人の男は満面の笑みを浮かべて口を揃えてこう言った 「「ああ!できるとも」」 「やっと…おれ…ゆ…っくりできる…ぜ」 と言うとそのまま寝息を立て始めた 一人の男ゆっくり魔理沙を大事に抱えると二人は幻想郷の外れにある竹林へと向かった .............. .......... ...... ... . 一面にお花畑が広がっている。心地よい風に乗って花の香りが漂い、その中を蝶が舞う平和な光景が広がっている そのお花畑の中に洞の空いた切り株が一つ。そこにゆっくり魔理沙が住んでいた。 物心ついた時からずっと一人ではあったが幸いにも食料とゆっくりする場所には困ることはなかった。 しかし一緒にゆっくりする相手が居なかった。ゆっくりは一部を除きを生涯の大半をゆっくりする相手と過ごす 「おれまりさもだれかとゆっくりしたいぜ!」 顔は笑っていてもどこか悲しげに呟いた。 黄昏ているとどこからともなく賑やかな声が聞こえてきた 「ゆっくりできるね!」 「ちーんぽっ!」 「むきゅう!」 ゆっくり魔理沙が近づいて見ると3匹のゆっくりが蝶をおっかけて遊んでいた。ゆっくり魔理沙にとっては初めて見る同種だった。 嬉しく思いつつも今まで孤独だったゆっくり魔理沙にはどう声をかけ良いかわからなかった 「だれかゆっくりしてるよ!」 ゆっくり霊夢が言うと他の2匹も気づいて3匹はゆっくり魔理沙の元にまる 「いっしょにゆっくりしようね!」 「ちーんぽっぽ!」 「むきゅ!」 「おれまりさもいっしょにゆっくりするぜ!」 始めて声をかけられたゆっくり魔理沙は大きな声でと叫んだ…が その次の瞬間騒いでいた3匹が急に黙りこくり、冷たい視線を投げかけた 「どうしたんだぜ?」 「こいつまりさじゃないよ」 「むきゅ!まりさはおれなんていわないよ!」 「おれまりさだぜ!」 何度も自分はゆっくり魔理沙と訴えるが3匹は冷たい言葉を浴びせかけて否定する 「きもわちるいからゆっくりどっかいってね!」 「ゆっくりさわらないでね!」 悲しくなってゆっくり魔理沙は泣き出してしまった 「い゛っし゛ょて゛ぃゆ゛っぐでぃさ゛せ゛て゛よぉぉぉぉぉッ!!」 3匹は泣き叫ぶゆっくり魔理沙に困りはて相談し、そして霊夢が言った 「ゆっくりいうこときたらいっしょにゆっくりしてあげるよ!!」 「ほんと?ゆっくりきくぜ!!」 4匹は草原の開けた場所に出るとゆっくり魔理沙が中央に立ち、他の3匹それを取り囲むよう立った 「どうすればいいだぜ?」 そしてゆっくり霊夢が口を開いた 「ゆっくりけられてね!!」 そういうとゆっくり霊夢はゆっくり魔理沙にとびかかり弾き飛ばした 「だぜぜぜぜ!」 ゆっくり魔理沙は奇声を上げながらロケットの様に一直線に吹っ飛びながらゆっくりパチュリーの場所へ転がる 「ゆっくりとんでね!」 ゆっくりパチュリーが弾くと今度はボールの様に跳ねながらゆっくり妖夢の方へ転がる 「ちーんぽっ!」 ゆっくり妖夢は上空へと跳ね飛ばす こうしてしばらく間3匹の間を何度も何度も弾かれ転がされた。 そのせいで地面の砂利で表皮が傷つき顔の各所から餡が滲みだしている。顔は餡と泥にまみれて真っ黒になってしまった 「ゆっくりあきたね!」 「むきゅ!」 「ちんーぽっ!」 そう言うと3匹はゆっくり魔理沙を蹴るのを止めどこかへ去ろうとした。 「ま゛って゛ぇぇぇぇ!お゛れ゛も゛い゛っし゛ょに゛ゆ゛っく゛て゛ぃし゛て゛った゛せ゛ぇぇぇぇ!」 とゆっくり魔理沙が叫ぶと 「きもちわるいからゆっくりしね!」 というとどこかへ走り去ってしまった。 .............. .......... ...... ... . 「ゆっ!」 眼をうっすら開けるとそこには暖かな夕日の日差しが飛び込んできた。 眩しく一度目を閉じたがおかげで意識が覚醒した 「あらお目覚めかしら?」 ゆっくり魔理沙が声をする方を向くと銀髪の白衣を着た女性が座椅子に座りながらこちらを見ていた 「おねえさん…ここでゆっくりできるだぜ?」 「ええ…勿論よ。あなたは今弱っているからここでしばらくゆっくりしていきなさい。ご飯も持ってくるから少し待ってなさい」 「ゆっくり待つだぜ!」 ―――永遠亭 「まさか本当に実在してたなんて…」 2人の男は幻想郷のゆっくり研究の権威である八意永琳の元にゆっくり魔理沙を連れてきていた 「ゆっくり俺魔理沙…とある学者がその存在を何十年も前から指摘しながらも、証明できず周囲から『新参乙!』『俄かはカエレ!』 との批判を浴びて学会を追われ失意のうちに死んだが…最期までその存在を死の床で唱え続けたと言われる伝説の種…」 「はい俺たちも初めて見た時は目と耳を疑いましたよ!」 「いやぁツチノコ発見どころの騒ぎじゃないでしょうねぇ。あ…ツチノコはもう発見されてたな」 色めき立つ3人を横目にポカンとした表情でその様子を見る鈴仙と薄笑いを浮かべながらその様子を見ているてゐ 「全くあのどこにでもいそうな饅頭のどこが凄いのか理解に苦しむわ」 「鰯の頭も信心からウサ」 「何を言ってるの鈴仙!私たちは今歴史の目撃者なのよ!いい?この事が幻想郷の歴史さえ揺るがしかねないの!!わかる!?」 「は・・・はぁ。そもそもゆっくりってつい最近出現し始めたんですよね?刻む歴史なんて…」 「アナタ?後で新薬の実験台になりたい?」 「ひッ…ひぃーーーー!なんでもありません!」 続く? ゆっくり俺魔理沙 見た目・大きさ・生態全ては原種と変わらない突然変異種。一人称におれと語尾にだぜを使う点で区別できる。 他のゆっくりからは何故か嫌われており、ゆっくり魔理沙である事を否定されると「おれまりさだぜ!」と言うので余計嫌われるという 希少性ゆえにその価値だけは高いが滅多に見つかることはない 参考:どういう訳か愛されてるようです。アリガトね! (注:愛でWIKI作品) http //www33.atwiki.jp/slowlove/pages/28.html
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1340.html
弱目のゆっくりゃ虐待SSです。ゆっくりゃ虐待が嫌いな人は見ないで下さい。 じぶん設定(笑)がいっぱい出てきます。 れみ☆りあ☆う~! 昼に公園を歩いてるとれみりゃがついてきた。 「うーうー☆おにいさんこっぢむいて~」 見ると所どころ汚い。どうやら公園の傍の砂場で遊んでいたようだ。 その顔は朗らかな笑顔で目は糸のようだ。 人の子供ほどの背なのに顔はやたら下膨れでほっぺたがやや赤い。3頭身くらいだろうか。 背中には羽と思しきものがついている。そのくせババクサイ服だ。 頭には大阪ドームみたいな帽子が付いている。髪は灰色のくすんでぼさぼさだ。 それはまぎれもないゆっくりれみりゃ(体付き)だった。 「お嬢ちゃん、お名前は?」 「うー!れみりゃだぞぉー!」 この町ではめったにゆっくりと出会わないから珍しく思ったので家に連れて行くことにした。 「そっか、れみりゃ。」「うー?」 ゆっくりゃは名前を呼ばれると頭を傾げてこっちに糸のようだった目を見開く。 まるでルビーのような瞳に、俺は胸を高鳴らせた。 「お兄さんと一緒にあそぼっか?」 「う?・・・うー☆あそぶぞー☆」 ゆっくりゃはいとも簡単に誘いに乗ってくれた。 それから俺とゆっくりゃは公園の遊具で遊んだ。ブランコで膝の上に乗せてこいでやると、始めは涙目で 怖がってしがみついた。 「うー!ごわいよぉ~さくやぁん!」「大丈夫だよ」 それから慣れると「うー!」と嬉しそうにした。 次に滑り台。俺は下でゆっくりゃを待ち構える。 目をつぶりながら震えているゆっくりゃは怯えながら滑り台の階段を上って 「う~こわいよざくや~」 とプルプルしている。 「大丈夫だよ!お兄さんを信じてね!」 と笑顔で言ってやると 「う~?・・・うぅ~ん!!」と否定だか肯定だか字面だけでは捉えにくい同意をしたゆっくりゃは 口をへの字に曲げて眉間に皺を寄せて意を決した顔で滑り台からすべり降りた。 ザシュッ! 俺は降りてきたゆっくりゃを優しく抱えてやる。 「・・・?うあうあ♪おにいさんありがとぉ~だぞぉ~☆」 と目をあけたゆっくりゃはすっかり俺を信じてくれたようだ。 「お腹減ったね、れみりあ?」 「うー!おなかすいちゃったぞー!ぐぎゅるるだぞー☆うあうあ♪」 とヒゲダンスをしながらゆっくりゃは俺を見つめてくる。 その表情はすっかり結婚生活のマンネリを旅行で打開した後の車内での妻の表情だ。 といってもわかりにくいか。とにかく一人前の女の表情をこの肉まん妖精ゆっくりゃはしていた。 その後うあうあ言いながらよちよち付いてくるゆっくりゃと共に家に帰った。 途中でコイツは蝶々を追っかけたり花を摘んだり大忙しだったが俺はゆっくり待ちながら手を引いて促した。 家に帰るとゆっくりゃは嬉しそうに踊りだす。 「うっうーうぁうぁ☆うれしいぞ☆たのしーぞ☆おにいぁんのおうぢにやってきたぞぉ~~~♪」 ぷりぷりとお尻をふって踊る。 立ち止まっては羽をピョコピョコ♪ と動かしてはこっちを チラッ と見て「うー♪」としなだれる。 これを基調にした踊りのようだ。 所々「うっううー♪」「ぎゃおー♪」「うぁうぁ♪」「シャクヤぁん♪」 と合いの手を入れてくるっと回って「だいしゅきー☆」と色目を使ってくる。 正直いってウザイ。今すぐ色目をレイプ目にしたい衝動を抑える。 どうやらこのゆっくりゃは数少ない繁殖期にあるらしい。俺を交尾相手と見なしたってことか。 とにかく今はこの面白い踊りを見ながらPC起動。 よし、ゆっくりゃをちょっと虐めてやろう。 「れみりあ!こっちちょっときてごらん。」 「う~?なぁに?おにぃ」いつの間にか「おにぃ」と馴れ馴れしくなっているゆっくりゃに不快感を感じたが我慢。 目が本当にルビーみたいな綺麗な真紅色をしているがこれは肉まんだ。ステーキのテカリと同じ類なのだ。 俺は動画サイトである動画を選んだ。これをゆっくりゃに見せよう。 「面白いよ。」「う~?おもいおいお?」どうやら俺の横顔に見とれてるらしい。イライラ。 「これ見てごらん」そこには綺麗な風景画が動画に映っていた。 「う~♪きれーだぞぉ~♪うー・・・」 ゆっくりゃは見とれているようだ。俺はニヤニヤしながらゆっくりゃを観察する。 そう、これはゆっくりゃを驚かせるためのびっくり動画、風景画が突然血まみれの女の絵と絶叫する声が流れるものなのだ。 「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」 「うあああああああああ”あ”あ”!!」 ゆっくりゃはびっくりして目を大きく見開き後ろに尻餅をついて倒れた。その際に後ろのタンスに頭をぶつけた。 「う”あ”!!いだいどおおおおおおお!!!びぇえええええええええええええええええん!!!びぇえええええええええええええええん!!!! いだーーーいいいいーーーーーーどおおおおおおおお!」 うるさい。ゆっくりゃは目から肉汁の涙を流しながら顔を真っ赤にしている。 目は><こんな感じで後ろの羽がパタパタしている。意味ないのにw 「おにーざん!どーじでデヴィをおどーがずぅんだどぉ~!!うあああああんざぐやー!ざぐやー!きーーーー!!!」 うるせえな。これで殴ったらますますうるさいだけだ。 俺はゆっくりゃにチュッパチャップスをやる。 「う・・・?・・・チュパチュパ。ううー!あまーいどー♪ぷっでぃ~んだど~♪」 プリン味じゃなくてサイダー味なんだけどな笑 ゆっくりゃが重ちー語になっているのは感情が高ぶっている時だ。こうやって甘いもので大人しくさせて元のうーうー語に治そう。 「うー・・・チュパチュパ・・・あまいぞー☆うっうー☆がおっ!」 とげっぷらしき動作をした。ゆっくりゃはげっぷすらがおーなのか。 「ごめんね、ゆっくりゃ」ナデナデ「うー♪いいど☆」 一思いに肉の塊にしてやりたい所だがゆっくりゃが希少な地域だけに資源の無駄遣いはできない。 ちびちび脅かしてストレス発散に使うか。明日は町でゆっくりゃ用のケージでも買って中に入れてやる。 当分はこのゆっくりゃに色々いたずらしてやろう。食費は俺持ちだけどね。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3239.html
※現代ものです ※かなり無理がある設定だけど気にしない ゆっくりが世にあらわれて数十年経ち、ゆっくりは人々の生活に浸透していた。 愛玩用として、加工食品として、時にはストレス解消用として。 彼らはこの世のものの一部として受け入れられていった。 しかしある日のこと、ゆっくりの加工から研究まで幅広く手がける大手企業に修正不能な問題が発生した。 始まりは社長の汚職事件が発覚したことだった。 この程度ならば、代表たちの記者会見での謝罪と社長辞任で済むはずであった。 しかしそのことがきっかけとなり、その他もろもろのスキャンダルが発覚した。 その中でも痛手だったのは『食品になるゆっくりたちが食べている餌は餓えた豚も食べないようなひどい臭いを放つ劣悪なものである』ということがメディアに知られたことだった。 ゆっくりは栄養や鮮度が悪くてもなんら問題はなく、その餡子も健康に害を及ぼすものにはならない。 このことは科学的にも証明されていることであった。 しかし、一時世間を騒がせていた有害物質を含む食品も餌として使用していたこともばれてしまい、信用を完全に失い、株は紙と化した。 このようなことになり、会社は倒産、研究所は閉鎖、加工場は永久凍結されるのは自然な流れであった。 ゆっくりの一部は他の研究施設に売却されていったがその多くは山へ放たれていった。 加工場や研究所は世界各地にあり、その数は膨大だった。 そして数年後、企業の倒産により、多くの失業者が出たことやゆっくりの不法投棄騒ぎなど世間に騒がれていたが他の話題が出れば、世間は興味をなくし、いつものように人々の記憶から薄れていった。 だが着実に問題は発生していた。 野へ放たれたゆっくりたちは加工場で何世代も過ごしており、野生で生きていくことは不可能だった。 水の危険性、捕食種の恐ろしさ、野生生物の存在、ゆっくりという種族の脆弱さ、全てを忘れていた。 その中で数を減らしながらも経験を経て、やがて野生へと還ることだろう、専門家もそう結論づけていた。 だが、よりゆっくりしたいという浅ましい執念と価値観の違う先住ゆっくりから追い出されることなどを彼らは失念していた。 あるゆっくりは山を降り、人の住む町へと入っていった。 あるゆっくりは恵み豊かではあるが、危険も多い平原へ移り住んだ。 あるゆっくりはもともと住んでいたゆっくりに打ち解け子を増やした。 しかしこれはゆっくりの生活圏が広がり、人と接触知ることが多くなったということでもある。 これにより、各地でゆっくりによる被害が発生した。 もともと自然界のバランスを保っていたゆっくりの数が激増したことにで人以外にも被害が出ることになった。 ゆっくりが家宅に侵入、家財道具が破損した。 ゆっくりに畑をあらされ、収穫できなかった。 ゆっくりが山の資源を食い荒らし、他の生物の個体数が減った。 ゆっくりが大量に溺れて川が汚染されて生物の種類が減り、河の流れ込む海にいたり、海洋汚染にもつながった。 これらは以前から騒がれていたことだがゆっくりが増殖したことにより、目に見えるほどの事態になった。 しかし被害はこれにとどまらなかった。 加工場では繁殖させるため、個体数を増やせるように特殊なゆっくりが使われていたことにより、自然ではありえない速度で増えていき、山は一面ゆっくりだらけになり、他の生物を追い出し、その山は禿山に変わってしまったところもあった。 数が増えていったことにより、ゆっくりは人の生活圏にも侵入し、町のゆっくりも増えていき、 ゆっくりがゴミや死骸を撒き散らすことにより、町にも汚物が溢れることになった。 道路を通行しようとして車に轢かれて、車やバイクがスリップし、交通事故の多発につながった。 研究用として使われたゆっくりには薬物実験にも使われたものもあり、ゆっくりには特に変化がなかったが、餡子の中で変化し、有毒になるものも数多くあった。 渡り鳥が大量死していたり、飼育していた動物が変死したりという事件が起こり、解剖してみるとゆっくりのものと思われる餡子が胃に入っており、その中から人をも死に至らしめる物質も検出された。 このような事件はメディアが放っておくわけもなく、連日報道され、人々は『ゆっくりは人に対して害になる』という考えを抱くようになった。 その流れに乗るようにゆっくりの悪い点ばかりを掲載したような書籍も出版された。 『ゆっくりは総じて人を下であると見ている』 『れいむは愚鈍であり、まりさは薄情、ありすはレイパー、ぱちゅりーは貧弱な愚者である』 『ゆっくりは人類の敵』 このようなことは冷静に見れば何の根拠もない嘘八百であるものばかりであったが、メディアもそれを煽り立てるように報道して、人々はゆっくりに対し悪いイメージを抱いていった。 飼いゆっくりは捨てられ、ゆっくりの加工食品も売上が落ち、月日は流れた。 各国は政府に対し、ゆっくりをどうにかするよう訴えたデモが起こり、加熱していった。 政府も何もしなかったわけではなかったが、駆除しようにも数が多すぎて瞬く間に増えていき、 経費もかさみ、どうにもできなくなっていた。 ゆっくりを捕獲した数に応じて賞金を出す国もあれば、ゆっくりの駆除を義務とした国もあったが思うような成果は得られなかった。 ゆっくりを効率よく駆除できる策や薬品の開発を待つばかりとなった。 ゆっくり対策費用などにより、経済不況が起こり人々は不安な毎日を過ごすようになり、ゆっくりへの憎悪を強めていった。 こうして地上にゆっくりの安住の地はなくなった。 ※※※※※ れいむは分からなかった、どうしてこんなことになってしまったのか。 狭い檻の中、自分のかわいい子供たち、赤れいむ2人赤まりさ1人と一緒に入れられ考えた。 れいむは春に両親ともれいむの間から長女として生まれた。お母さんはとても優しく、2人に 挟まれるととても安心でき、幸せな気分になれた。 みんなで一緒に食べるご飯もおいしく、すくすくと成長した。 長女としてみんなの先頭に立ち、まとめ役としてお母さんの役に立とうとした。 お母さんはそのことをとても褒めてくれて、「れいむが大きくなったらとても いいお母さんになれるね」と言われ、嬉しかった。 季節が過ぎみんな大きくなり、冬が来た。冬の間は狭いおうちの中、みんなで寒くないよう固まっていた。 妹たちはお外で遊びたいと駄々をこねたりしたが、れいむはみんなでくっつきあっているのが好きだった。 お母さんの綺麗なお歌もいつでも聴けたし、穏やかに過ごせた。 一人も欠けることなく春になり、れいむも十分に大きくなって、ついに巣立ちの日を決めた。 お家の前に立ち、みんなに別れの挨拶をした。秋に生まれた妹たちは行かないで大泣きした。 れいむも泣きそうになったがお別れは笑顔でしようとがんばって笑っていたが、今にも泣きそうだった。 お母さんが「辛かったらいつでも戻ってきていいよ」と言ってくれた。 その一言で涙が我慢できなくなった。 今まで育ててくれてありがとう、お母さんみたいにゆっくりしたあかちゃんをうむからね、と みんなにお別れした。 半日ほど跳ねて綺麗なお花さんが咲いている野原についた。 そこではいくつかのゆっくりの家族がお花を食べたり、みんなで歌ったり、 遊んでいたりとみんな楽しそうだった。 家族のことを思い出し、寂しくなったがれいむもお花さんを食べたりした。 日が傾きみんな自分たちのおうちへ帰ろうとしていた。れいむもお家を探そうと森を探索していたとき、1人のまりさと出会った。 ゆっくりしていってね!と挨拶した後、まりさに「何をしているの?」と尋ねられた。 家を探していることを伝えると、「まりさのお家に泊まってっていいよ!」と言ってくれたので 甘えさせてもらうことにした。 次の日も一緒に食べ物を集めたり、ゆっくりしたり、たくさんのことをしてまた泊めてもらった。 そんなゆっくりした日が続き、二人は恋をした。どちらともなく告白し、一緒になることを誓った。 暑い日が続くようになり、ご飯が豊富になってきたころにすっきりをして頭から茎が生えた。 そして3人とも無事に生まれた。茎を食べやすいように噛み砕いてあげた。 「おかぁしゃん、ありがちょぉ♪」赤ちゃんがお礼を言ってくれた。生まれてきてくれてありがとう。 れいむは最高に幸せだったし、これからももっとゆっくりできるだろう。そう信じて疑わなかった。 次の日、まりさは赤ちゃんたちのためにご飯を集めに出掛けた。その間れいむは赤ちゃんたちと す〜りす〜りしたり、お歌を歌ってあげたり、舐めて綺麗にしてあげた。 赤ちゃんたちがおなかがすいたと言い始めた。まりさはそろそろ帰ってくるだろうと待った。 すると、お家を隠している枝や葉っぱがどかされていった。まりさが帰ってきたと思い、ゆっくりしていってね!とお帰りの挨拶をした。だけど見えた顔はまりさじゃなかった。 そして長いものが伸びてきてれいむの頭を掴んだ。痛い、離して、いくらいっても離してくれなかった。 そして外まで引っ張り出された。そして外にいるのは何なのか見た。 れみりゃよりずっと大きく、長い手足がついていた。お母さんから聞いたことがある、 『にんげんさん』だ。 そして、れいむは袋に入れられた。出してと叫んでもだめだった。赤ちゃんたちが何か言っているがうまく聞き取れない。赤ちゃん逃げてと叫んだ。 そのうちくぐもった声になった。きっとれいむのように袋に入れられてしまったんだ。 袋に入れたまま、れいむはどこかへ連れて行かれた。 冷たい檻の中に赤ちゃんたちと一緒に放り出された。赤ちゃんたちは「いちゃぃぃぃぃ」と 泣いていたがぺ〜ろぺ〜ろすると泣き止んだ。 この檻から出られるんだろうか、きっと無理だろう。『にんげんさん』はれみりゃよりずっとずっと怖いとお母さんは言っていた。ここから出れたとしてもまた捕まってしまうだろう。 正直怖くてたまらなかった、今にも泣いてしまいそうだ。けど泣いたら赤ちゃんたちが不安になってしまう。 赤ちゃんにはゆっくりしてほしい。 まりさはどうしているだろう。一生懸命探してくれているかもしれない。助けてほしい、 ここはとてもゆっくりできない。でも助けに来てくれてもまりさも『にんげんさん』には敵わないだろう。 それでも助けに来てくれると思っていないと不安に潰されそうだ。 れいむはもうゆっくりできなくなるだろう。そう思うと楽しかった思い出がよみがえってきた。 お母さんと一緒にいたこと、まりさとのゆっくりした日々、でも二度と叶うことのない夢。 赤ちゃんたちにもゆっくりしてほしかった、楽しいことを何も教えてあげることができなかった。 そう思うと気分が沈んだ。 「おきゃぁしゃん、どぅしちゃにょ?」 暗い顔をしていたのを見られたんだろう、赤ちゃんが聞いてきた。 大丈夫だよと言おうとしたが、ちょっと涙声になってしまった。 「おきゃぁしゃん、どきょきゃぃちゃぃぃちゃぃにゃにょ!?ぺ〜りょぺ〜りょしちぇあげゆきゃりゃ ゆっくちよきゅにゃっちぇにぇ!ぺ〜りょぺ〜りょ♪」 「にゃりゃまりしゃみょ〜♪ぺ〜りょぺ〜りょ♪」 「りぇいみゅみょ〜♪」 ちょっとくすぐったいが、赤ちゃんたちがれいむを励まそうとしてくれているのが分かる。 涙を我慢できなくなった。そして今までにないほどの大声で泣き叫んだ。 それを見た男の感想は「でかい饅頭が泣き叫び、ちっこい饅頭がまわりで気持ち悪い声を出して でかい饅頭を舐めているのは最高にキモい。饅頭は共食いすると言うし、大方腹が減って食おうとしているのだろう。浅ましい奴らだ。」というものだった。 ゆっくり処理場で働く男はさっさと済ませてしまおうと思い、ゆっくりの入った底に キャスターのついた檻を押していった。 れいむが男が近くにいるのに気づき、 「ここからだしてね!」 と言っていたが無視された。 目的の場所に着いて、男は檻を押す手を離し小窓ほどの大きさの鉄の窓を開いた。 そこから目も開けられないほどの熱気が立ち上る。ここはゆっくり焼却炉、ゆっくりを焼却処分するために国が建設した施設であった。 男は檻の上部を開けて赤ゆっくりを捕まえだした。 れいむは赤ゆっくりたちに 「はやくおかあさんのおくちにはいってね!」 と言っていたが男が待つわけもなく、一匹もれいむの口の中に入ることはなかった。 「はなちちぇ〜!」 「おきゃぁしゃん、たしゅけちぇ〜!」 「きゅりゅしぃよ〜!」 赤ゆっくりは男の手の中で悲鳴を上げていたが男は 『ゆっくりは命乞いをするが浅ましい執念で他のゆっくりを身代わりにしてでも生き延びようとする醜い物体である』 とマニュアルに書いてあり、それに従い容赦はしなかった。 そして赤ゆっくり3匹を焼却炉に放り込んだ。 赤ゆっくりは断末魔もなく燃え尽きた。 「でいぶのあがぢゃんがああああぁぁぁぁ!!!」 霊夢は嘆き悲しんでいたが 『ゆっくりは他のゆっくりの死を嘆き悲しむそぶりを見せるが、餌を与えたり、 時間がたてばそのことを綺麗に忘れる』 男はマニュアルを信じ切っていた。れいむに様子を見ても、 これだからゆっくりは嫌いなんだ、と言うことしか思わなかった。 そしてれいむを両手で掴みあげて焼却炉に放り込んだ。 「ゆぎゃあああああぁぁぁぁあづいよおおおおおおぉぉぉぉ!!!」 れいむは思った。どうしてこんな目にあうの?れいむ何も悪いことしてないよ? このままじゃ死んじゃう!助けてまりさ!助けてお母さん! この焼却炉はゆっくりを文字通り“必殺”するために設計されている。 れいむは欠片も残さずに燃え尽き灰になった。 男は次に処分するゆっくりたちを運び込むために、鉄の窓を閉め檻を押しながら離れていった。 実はまりさも少し前に処分されていた。 まりさがご飯を探しているときに捕まり、巣はどこにあるか言わなければ殺すと脅されていた。 最初は抵抗した。しかし、殴られ続けて歯が全部折れ、どうにかしゃべれるような状態になって 白状した。 巣の前まで来るとまりさはまた殴られて、今度はしゃべることもできず、 右目が飛び出した状態にまでされた。そしてれいむや赤ゆっくりたちが入れられた袋とは別の袋に入れられた。 まりさは袋の中でれいむと赤ゆっくりたちが捕まるのを聞いて、心の中で何度も ごめんね、ごめんね、とわび続けた。 れいむと赤ゆっくりが入れられた檻の近くの檻に入れられていた。 しかし薄暗い部屋の中、周りは見えず声だけでしかれいむと赤ゆっくりたちを確認できなかった。 お母さんはここにいるよと言いたかった。でも声が出せなかった。 やがてまりさの檻が運ばれていった。 れいむや赤ちゃんと一緒にいたい、と心で思うことしかできなかった。 そしてまりさは焼却炉に放り込まれた。 痛い、熱い、助けて、どうして、いろんなことが思い浮かんだが声には出せなかった。 まりさは悲鳴を上げることもできず灰になった。 こうしてれいむとまりさ一家は他のゆっくりたちともだが、一緒になることができた。 ちなみにれいむの両親と妹たちも数日前に焼却処分されていたが、灰はすでに書き出されたあとであったため 一緒になることはなかった。 ゆっくりはゆっくりすることが果たしてできるのだろうか あとがき また懲りずにSSを書いてみました。前よりは上達したのかしら。 実は続きも考えてあるんですけど今回はここまでとしました。 続きはまた今度にします。需要あるか知らんけど。 やっぱりゲスよりもこういう無垢なゆっくりを虐めるほうがぞくぞくしますね。 ゆっくりは人間みたいに考えることができるがボキャ貧だから人間に誤解されて ゲスだと認識されたりしているんだと思う。 きっと7,8割は人間に関わることもせず、平和に過ごしているんだと思う。そう思いたい。 まあ何はともあれ、これからもゆっくりを虐めていこう! それでは、また。 こんな駄文を読んで頂きありがとうございました。 書いたSS ゆっくりいじめ系1932 バカは死んでも
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「踏みにじられた花」fuku1450.txt であまりすっきりできなかったので続きを書いてみました。 ちなみにfuku1450.txtの作者ではありません。また東方キャラが出演します。 幽香はいつものごとく太陽の畑を手入れして向日葵を育てていた。 そして手入れが終わると水浴びをし、体にを綺麗にしてから 咲いた花たちを眺めながら妖精たちとティータイムを楽しんでいた。 最近の妖精たちの会話の中心はゆっくりだ。 幻想卿に突如出現したゆっくりは、知性は低く、本能に忠実で 他人に対しては小馬鹿な態度を取るわりにものすごく弱いと言う いったい誰が何のために生み出したのか疑問に思うほど謎な生物である。 妖精たちは、ゆっくりにこんな悪戯をしたなどの虐め方談義で盛り上がっていたが、 幽香自身は弱い生物に興味がなく、太陽の畑を荒らす愚かなゆっくりには制裁を与えるが わざわざ出向いてまで虐めるなど無意味と思い、ゆっくりには興味を持てずにいた。 しかし、つい最近興味を惹かれるゆっくりがいたのだ。 それは数ヶ月前。 空の散歩を楽しんでるときに、偶然花畑を見付けたことから始まる。 人里離れた僻地に手入れされた花畑があったので興味を惹かれて降りてみると 「はなばたけをあらすひとはでていってね!」 「あら、こんにちは。私は花畑を荒らすようなことはしないわ。 にしても、なかなか見事な花畑ね」 自分に良く似た顔をしたゆっくりゆうかが出てくると開口一番に文句を言ってきた。 花畑を荒らすことなどまずありえなく、率直の感想を言うと 「はなばたけをあらさないんだったら、ゆっくりみていってね!」 「ありがとう。ここの花畑はあなたが育てたの?」 「うん、がんばってそだてたの!」 ゆっくりゆうかは警戒心が強く、また花を荒らすゆっくりや人間を嫌ってはいたが 花を愛でて自分と気持ちを共有してくれる人は好きだった。 幽香自身も花を荒らすどころか逆に花を育てるというところに好感を持てたので 少し喜ばせてあげようと思い、珍しい花を咲かせてあげると 「ゆっ!おねーさん、すごい!」 「こんな花もあるわよ」 「きれー!!」 喜んでくれるようで、次々と珍しい花を咲かせてみせる。 しかし、ふと我に返り自分を戒める。 同好の士を見つけたせいか、つい調子に乗ってしまった。 こんなところを鴉天狗にでも見られてしまっては大妖怪としての沽券に関わる。 「いま咲かせた花々の種をあげるから、あとは自分で育てなさい」 「おねーさん、ありがとう!がんばってさかせてみせるね!!」 「花が咲く頃にまた見に来てあげるから、頑張りなさい」 幽香は沢山の花の種をゆっくりゆうかに渡してその場を去った。 あれから数ヶ月。渡した種もそろそろ花が咲く頃だし、様子を見に行くか。 妖精たちに出掛けることを告げてから、幽香は日傘を手にして花畑に向かった。 種を渡したゆっくりゆうかは頑張っているだろうかと期待を膨らませて。 「なにこれ」 しかし、花畑に着いた幽香が見たのは 食い尽くされ見るも無残な状態の花畑とゆっくりの集団であった。 つい先日まではゆっくりゆうかによって手入れされ、綺麗に咲き乱れていた花畑であったが ゆっくりの集団に見付かったことにより、餌場となっていたのだ。 「むーしゃ!むーしゃー!しあわせー!!」 「うっめ!めっちゃうっめ!!!」 空にいる幽香には気付かず、花を食べたり、踏み荒らしたりしているゆっくり達。 幽香はすぐ様、蛮行をとめるためにその場にいるゆっくり達に薔薇を投げて動きを封じる。 すぐに殺しても良かったが、殺すことなど後でも出来る。 まずはゆっくりゆうかを探すことが先決と判断した。 「いだいいいいいいい!」 「ゆっぐりでぎないいいいい!!」 「おかあああざん!だずげでえええええ!!」 いきなり薔薇を体に刺されたゆっくり達はあまりの痛みに叫びをあげた。 体には細い薔薇の茎が刺さってるだけなので致命傷には至らない。 だが、妖力が込められた薔薇の茎は、ゆっくりの力では引き抜くことも出来ず 無理に動こうとすると、茎によって体が引き裂かれるので ゆっくり達は、ただ苦痛の声をあげることしか出来なかった。 幽香はそれを無視し、空からゆっくりゆうかを探しまわった。 ゆっくり達を脅してでも居場所を聞いたほうが早いだろうが 花を荒らすようなゆっくりと会話することもイヤだったのである。 しかし、数刻探してもゆっくりゆうかを見つけることが出来ず 仕方なく群れから少し離れた場所にいたゆっくりまりさに聞くことにした。 「ちょっといいかしら?」 「ゆっ!おねーさん、だずげでえええええ!!」 声をかけるなり、いきなり助けを求めてくるゆっくりに辟易し 幽香は持っていた日傘をゆっくりの右頬に突き刺した。 「いだいいいい!やめでええええ!!」 「質問に答えないようなら殺すわよ」 突き刺した日傘をぐりぐりと動かし脅すと ゆっくりの餡子脳でも理解できたのか泣き叫ぶことをやめ、涙を流しながら何回も頷いた。 ようやく話を聞ける状態になったので 「ここにゆっくりゆうかがいたと思うけど、どこにいるのかしら?」 「ゆ゛っ!ごごにいだゆっぐりならあぞごでず!!」 ゆっくりまりさが舌で指し示した方向を見ると、そこにはよく分からないものがあった。 近づいてみてもよく分からなかったので摘み上げてみると どうやら皮を引き伸ばされてから石で戻らないように固定されたゆっくりめーりんのようだった。 そして、その下にはゆっくりゆうかが般若の相をしたまま死んでいた。 「ゆ゛!」 いきなり摘み上げられたことに驚いたのか、皮を伸ばされていたゆっくりめーりんは呻いた。 ゆっくりゆうかのほうは死んでいたが、ゆっくりめーりんはこんな状態になってもまだ生きているようだ。 幽香は花の蜜を与えてからゆっくりめーりんを地面に静かに置き、ゆっくり達に向き直り再び問い掛ける。 「この場所を見つけたゆっくりはどれかしら?」 「あぞごにいるれいむどまりざどありすとぱぢゅりーがおじえでぐれだの」 殺気と共に声をかけてくる幽香に怯え、すぐに仲間を売るゆっくりまりさ。 所詮ゆっくりまりさ。仲間のことより自分の命のほうが大切なのだろう。 「そう。ありがとう。お礼に食事をあげるわ」 「おねーざん!ありがどぉぉぉぉおおがぁぁ!!」 ゆっくりまりさの口の中に花の種を何粒か入れてすぐ様成長させる。 ゆっくりを苗床とし、何種もの芽が発芽していく。 「まりざのがらだになにをじだのおおおお!!」 「あら、花の種を食べさせてあげたのよ」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛!いだいいいい!!ながのあんごをずわないでええええ!!!」 餡子を栄養として花が咲き、饅頭の皮を引き裂いていく。 「おねえええざん!ゆるじでえええ!!」 「あら、何を許して欲しいのかしら」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 もはや言葉を発することは出来ず、ついには餡子を飛び散らせながら いくつもの花を咲かせてゆっくりまりさは絶命した。 「ゆっくりが苗床でもやっぱり花は綺麗ね」 妖艶な笑みでそう言い残し、首謀者と考えられる4匹以外のゆっくりはすべて花の栄養にすることに決めた。 何十匹もいるのに、1匹づつ苦痛を与えながら殺していくのは些か面倒だし。 やることが決まれば、あとは単純。薔薇の茎が刺され動けなくなっているゆっくり達に花の種をばらまいた。 そして始まる、阿鼻叫喚の地獄絵図。 そこかしこで聞こえてくるゆっくり達の絶叫を聞きながら 幽香は首謀者と思われる4匹のゆっくり達に近づいた。 「れいむがらこのばらをぬいでええええ!」 「おねーざん!まりざをだずげでほしいんだぜ!!!」 「もうやだあぁ!!どがいはのぎれいなはだがきずづいだああああ!!」 4匹のゆっくりは未だに薔薇の茎が刺さったことによる痛みと 周りから聞こえてくるゆっくり達の絶叫に怯えて、声をあげて泣いていたが こちらに気付くとすぐに自分が誰かに攻撃されたことも忘れて助けを求めてきた。 幽香は軽く既視感を覚えたが、本能に忠実なゆっくりの行動など大抵同じなのだ。 助けを求める声を無視して、幽香は一番近くにいたゆっくりれいむを踏みつける。 踏みつけられたことにより、薔薇の茎で引き裂かれた皮が更に傷つくがそれすらも無視して脅す。 ゆっくりをこちらに従わせるには痛みと恐怖を与えるのが一番手っ取り早いからだ。 「おねえざん!やめでええええ!!」 「静かにしなさい!うるさくしたり、質問に答えなかっりしたら、もっと傷を広げるわよ」 軽く脅して、ゆっくりれいむを黙らせてから問い掛ける。 「あなた達がこの花畑を見つけたの? 」 「ぞうですぅ!れいむだぢがみづげましだああぁぁ!!」 質問に答えたので幽香はゆっくりれいむを踏むのをやめ ゆっくりれいむのすぐ側にいたゆっくりまりさを今度は踏みつける。 先ほどゆっくりれいむに言った言葉が聞こえたのか ゆっくりまりさは叫び声をあげることもなく、ただ滂沱の涙を流しながらこちらを見ていた。 「ここにいたゆっくりをなんで殺したの?」 「ゆっぐりだぢのじょぐじをじゃまじだがらだぜぇ!!」 イラ 「ゆ゛ー!」 そんな理由で、花を荒らしただけでなく、気に入っていたゆっくりゆうかまで殺したのか。 あまりにもふざけた理由だったため、つい足に力が入ってしまった。 おかげでゆっくりまりさの傷が大きく開いたが餡子はそれほど出ていないのですぐに死ぬことはなさそうだ。 1メートルほど離れた場所にゆっくりアリスがいるので、今度はそちらに近づいていく。 今までのやり取りを見たゆっくりアリスは、怯えて逃げようとしたが 茎が刺さったままだったことを忘れたらしく、何もしないうちから更に傷を広げていた。 だが、幽香はそれをみて手加減することなく傷口に日傘を刺し込み傷を広げながら、問い掛ける。 「ゆっくりめーりんの皮が酷いことになってたけど、それもあなた達がやったの?」 「ぞうです!わだじだぢがやりまじだあぁ!!」 涙を流しながら素直に質問に答えたので、日傘を抜いてやり 最後に残ったゆっくりパチュリーに近づく。 先ほどから声をあげてなかったので、恐怖で震えているのかと思ったらすでに失神していた。 体が弱いと聞いていたが、まさか薔薇の茎を1本刺されたくらいで失神するとは・・・ これでは質問できないので軽く蹴って叩き起こすと、餡子を吐きながらも眼を覚ましようだ。 「ここと森の間には荒地があるのに、どうやってここまできたの?」 「むぎゅー!ゆーパックだぢにだのんでづれでぎでもらいまじだぁ!!」 へー、そんなゆっくり種もいるのね。あとで殲滅しておくかな。 最もいまはそんなことより目の前にいる4匹のゆっくりにお仕置きをしないとね。 そして、ゆっくりめーりんにやったことと同じことをしてやろうと思い 4匹のゆっくりに聞こえるように大きな声で宣言した。 「一番最後まで生き残ったゆっくりには、特別に見逃してあげるわ」 「ゆ゛っ!みんなはれいむをだずげでね!!」 「まりざのだめにみんなばおどなじぐじんでね!!」 「ありずはどがいはでゆうじゅうなんだがらいぎのごるべきよ!」 「むきゅー!」 苦痛で涙声になりながらも、お互いを罵り始めた。 もっともゆっくりパチュリーだけは、すでに諦めたようだが。 さて、まずはゆっくりまりさからやろうかな。 幽香は分身すると、ゆっくりまりさから薔薇の茎を抜いて 4ヵ所をつまみながら持ち上げた。 「まりさをたすけてくれるなんて、おねーさんはみるめがあるぜ!!」 「あら、ありがとう」 と言って、徐々に力を入れながらゆっくりまりさを殺さぬよう皮を伸ばしていく。 「いだい!いだい!おねーさん、でをはなずんだぜ!!」 「ゆっくりめーりんにもこうやって遊んであげたんでしょう」 「あ゛あ゛あ゛あ゛!あんごがでてる!でてる!やめるんだぜ!!!」 先ほどの薔薇の茎で傷ついた場所から餡子が漏れ出していたので 仕方なく幽香は妖弾を使い、傷の部分を焼いて止血をする。 「うるさいわね。こうすれば平気でしょう」 「あsdfghjkl」 声にならぬ声をあげて、ゆっくりまりさは白目を剥いて気絶した。 気絶したところで手を止めると、ゆっくりまりさは40cmほどの大きさだったものが 皮を伸ばしたことにより1m位にまで伸びていた。 だが気絶されたままではつまらないので、花の蜜をかけて刺激を与え 無理やりゆっくりまりさを目覚めさせたが、苦痛に身悶えするばかり。 あまりに反応がないので、後回しにすることにして次に移る。 「さーて、次は誰がいいかなー?」 「ゆるじでえええええええ!!」 「おうじがえるうううぅぅ!!」 「最後まで生き残れば死なずに済むわよ」 ふと、ゆっくりパチュリーを見るとまた失神していた。 罰を与える前から失神されると、こっちとしてもやりがいがないので 無理やり目覚めさせてから、ゆっくりパチュリーを引っ張ることにした。 「ゆっくりパチュリーはどこまで伸びるかなー?」 「やめでええええ!やめでええええ!!」 「ちゃんと止血もしてあげるわよ」 「むきゅー!」 4ヶ所をつまみながら皮を伸ばしていき、餡子が出そうになったら傷を焼いて止血したが 体が平べったくなりながら倍ほどに大きさになったところで、ゆっくりパチュリーは餡子を吐き出して絶命してしまった。 「あらあら、ゆっくりパチュリーは死んでしまったわ。 あなた達、良かったわね。さぁ、頑張って生き残ってね」 「「「ゆ゛ぅぅ!」」」 ゆっくりパチュリーの死に様を見てしまったせいか 数刻後には自分もああなるのだと悟り、絶望するゆっくり達。 だが、幽香はそんなことを歯牙にもかけず、続けた。 「おねええざん!!なんでもずるがらだずげでえええええ!!!」 「ありずはこんなどごろでじにだぐないいいい!!」 餡子が出そうになるたび、妖弾で傷を焼かれて止血しては皮を伸ばされ 口から餡子が出そうになると、口を石で塞がれた。 そうしてなかなか死ねない状態のまま、ゆっくり達は皮を伸ばされ続けた。 結局、最後まで生き残ったのは、ゆっくりまりさだった。 「あなたは頑張ったから見逃してあげるわ」 「ふふ、うふふ、うふふ」 皮を伸ばしに伸ばされ、もはや自力で動くことも困難な状態で 壊れた笑いをし続けるゆっくりまりさに声をかける。 「どうせだから、仲間もつれていってあげてね」 そう呟くと 皮を伸ばされたゆっくりパチュリーをゆっくりアリスで包み さらにそれをゆっくりれいむで包んだ後に 最後にゆっくりまりさで包んであげた。 そして、結び目を焼いて癒着させてから森のほうへ転がした。 花を荒らしたゆっくり達に対してはお仕置きも済んだので、まだ生きているゆっくりめーりんに近づく。 花の蜜が効いたのか意識を取り戻して、皮が元の形に戻り始めていた。どうやらこのまま死ぬことはなさそうだ。 幽香はふと気になったことをゆっくりめーりんに尋ねた。 「花畑は好き?」 ゆっくりめーりんは弱弱しくも確かに頷いた。 期待通りの返事に幽香はにっこりと笑い 「そう、なら花畑を作り方を特別に教えてあげるわ」 幽香はこの花畑をこのまま放置して荒れたままにしておくのは勿体無いと考え このゆっくりめーりんに花畑の作り方を教えて、管理させようと思った。 まずは傷を癒してもらい、その後びっちり花畑の作り方を教え込もう。 幽香は今後の予定を頭で思い浮かべながら、ゆっくりめーりんを連れて帰途に着いた。 太陽の畑に帰る途中 「おっと、まだやることが残ってたな」 幽香は森を飛び回りながら、ゆーパックを見つけ次第殺しつつ 二度とこんなことが起きないように 食虫植物を改良した食ゆっくり植物を作り出し、森中に植えた。 数ヵ月後。 この森にいるゆっくりは、ゆっくりめーりんのみになったが ゆっくりめーりんはその事に気付かず花畑を育てながら幸せに暮らしたそうな。 fin 個人的に幽香もゆっくりゆうかも、花を愛でる人には優しいんじゃないかという妄想が入ってます。 1450.txtでも、ゆっくりゆうかは死ぬ間際にはゆっくりめーりんに対して仲良くしようとしていたみたいですし。 このSSに感想を付ける
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注:前にご当地ゆっくりのSSを書かれた方とは別人です。勝手にネタを使って申し訳ありませんでした。 あれを見たら無性に書きたくなったので。今は反省している。 注2:このゆっくりは広島弁をしゃべりますが、仕様です。 ご当地ゆっくり!(広島?編) さて、仕送りというものは、一人暮らしの独り身には故郷の薫りを届けてくれる、ほぼ唯一の手段と言ってもよい。 であれば、それを喜ぶのは、大抵の場合は適切な反応と言ってよいだろう。 そして、その仕送りで、いやに重い段ボールを男の母は送ってきた。 米でも送ってきてくれたのかな、とは思うが、時折ガタガタと揺れているような気がする。 さすがに、うーぱっくを運送業の人間が受け持つとは思えなかったが、あける事がどうにもためらわれ、ひとしきり考えた後に、開梱を試みてみよう。 そう決心はしたたが、どうにも嫌な予感がする。 カッターは使うまい、と考えて、ぺりぺりと布テープを剥がしていき、段ボールのふたを開けた。 「ゆっくりしていきんさい!!!」 ぱたん、という音を立てて、反射的に男はふたを閉じる。 目の錯覚でなければ、自分の頭より若干大きい程度のゆっくりが入っていた。 運送業者が間違えたのかと思うが、しっかりと送り先のところに自分の住所と、送り主のところに母の名が書かれている。錯覚ではない。 もう一度、慎重に開ける。そこには、ふくれっつらをしたゆっくりゆかりが居た。 家で飼っているゆっくりの中でも特に古株で、ゆっくりらんとゆっくりちぇん、果てはゆっくりチルノの親代わりまでやっている。 母が独身のころから一緒だったというから、何年生きているのか、見当もつかない。 ゆかり種独特のZUN帽には、枯れたところを見たことが無い紅葉が飾られている。 「なにはぶてとるんじゃ、おまえは」 「おまえが心配じゃけぇわしがせっかくきてやったのに、どういう態度なんよ。ゆっくりできん奴特有の態度が鼻につくわい」 ぷりぷりと怒りながら、ゆかりはそういうが、いきなり来られても困ります、と返したくて仕方が無い。 そもそも、どうやって入ったのかと思うが、ゆかり種特有の体の柔らかさを全力で発揮したのだろう、と思いたい。 これだけ重いのに、気付かない母も大概どうかと思うが。 「ほいじゃが、母ちゃんが心配しとるんじゃないんか?」 「ききゃえーじゃないか。ゆっくり聞いていってね!!!」 こういう時だけ、何故か標準語になるあたり、色々作為的なものを感じるが、大方厭味なのだろう。 昔からそういうやつだったが、本当に子供だったころに、この言動で腹を立てて、ゆかりの頬をひっぱりすぎて破いてしまい、異臭騒ぎになった事がある。 故に、手を出すのも憚られた。いくら腹が立っても、もうやる気は無いが。 電話をかけて聞いてみるが、電話の向こう側に居る母はのんびりした口調で、心配じゃ心配じゃゆうとったけぇ、かわいがってやりんさい、と返してきた。 問い詰める前に電話をゆっくりらんに代わられ、ちぇんがさびしがってるから、はやくかえってきてね!!! とまで言われてしまい、言い返す言葉がなくなった。正確には、返す気が無くなったのだが。 さて、電話は切れたが、ゆかりは例のにやにやとした表情を浮かべて、こちらを見ている。 ただ、心配だから来たというあたり、なんというか、ゆっくりにまで心配をかけていたのかと思うと、若干気がとがめた。 しかし、それを認めるのもなんとなく癪で、段ボールの中身を出していく。 紅葉饅頭や、広島菜漬け、あとは大量の夏みかんと、ゆかりの大好物である羊羹が二棹、他にもこまごまとしたものが入っている。 さすがに、牡蠣はクール便ではなかったので入っていなかったのは残念だった。 生牡蠣をちゅるっとやりたいなぁ、と考えながら、羊羹を冷蔵庫に入れようとすると、ゆかりがぴょんぴょんと跳ねながら、何事か訴えている。 だが、口に出すのはくやしいらしく、黙っているが。 「食後のお茶の時間に食べるけぇ、我慢しんさい」 「わしゃおなかがへっとるんよ、ゆっくりいそいでね!!!」 聞けば、三日分の食料が入っていたのに、美味しくてうっかり食べ過ぎてしまい、二日目には無くなってしまったらしい。 一時的な冬眠で凌いだ、とはゆかりの弁だが、やせ我慢だという事は良くわかった。 それでも、荷物に手を出さなかったあたりは、年の功とでも言うべきか。 ゆっくり種は言い含めてやれば、たいていのことは理解できるのだが、おあずけはそれ程得意ではない。 「お好み焼きが食べたいんじゃが、お好み焼き屋は近くに無いん?」 「あるわけないじゃろう。ここは広島じゃないんじゃ」 「この際大阪風でもええよー」 要は、ともかくお好み焼きが食べたいから食べさせて、という事らしい。 勝手だなぁ、とは思うが、まあ材料費はそんなにかからないから良いか、と納得し、具材を切って種に投入して、フライパンで焼き上げる。 いい色になったところで、皿に載せてソースをたっぷりかけ、青海苔を散らす。 マヨネーズは、かけるとゆかりが怒ってひとしきり語りだすので、かけない。 ゆかりを膝に乗せ、箸で一口大に切ってやって食べさせる。 自分で食べさせても良いが、そのときは、口には出さないものの残念そうな顔をさせてしまう。それは望む結果ではない。 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー!!!」 青海苔を口の端につけながら、ゆかりは本当に幸せそうに緩んだ表情でそういう。 普段は厭味だが、こういうところはかわいくて仕方が無い。 「ほら、青海苔ついとるぞ」 口元を拭ってやり、もう一度口元にお好み焼きを運んでやる。 今度もまた、おいしそうに食べてくれた。 半分ほど食べたところで、時折、ちらちらとこっちを見始める。 確かに美味しいが、このあとに大好物の羊羹が控えている事を思い出したらしい。 かわいいやつだ、と微笑みながら考えて、口元にお好み焼きをはこんでやる。 目の前のお好み焼きか、羊羹か、と逡巡している様子がかわいらしい。 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー!!! でも、羊羹食べさせてくれたらもっとしあわせよー!!!」 「ほんとに現金なやつじゃのぅ」 そういって、お互いに声を出して笑いあう。 久々に、ゆかりと『ゆっくり』できているのを感じる。そして、ふと考えた。 たまには故郷に帰ろう。ゆかりといっしょに。 了 あとがき どうも、猫の話と犬の話を書いた人です。ちなみにはぶてる、とはまあ、ニュアンス的にはすねる……といったところでしょうか。 方言が滅茶苦茶なのは、中の人が最近広島に帰っていないから……というのがあったり。 一口に広島弁と言っても、実のところ地域差もありますし。どうしたものやら。 あと、広島というと色々取れるんですが、あえて今回は紅葉だけにしてみました。 ゆっくりしずはでも出せば良かったかもしれませんが……どう書いていいのか(ry ゆかりのふてぶてしさが良かったです、雰囲気にゆっくり出来ました。 -- 名無しさん (2009-03-18 16 06 27) そうそう、オタフクソースをたっぷりかけて食べるお好み焼きがうまいんですよ。 -- 山口県民ゆっくり (2009-03-27 08 37 26) いろんなところに共感しながらゆっくり楽しめました。面白かったけぇ、次回作に期待しとるけぇね! -- 連レススマソ (2009-03-27 08 42 41) わしもゆっくりしないといけんわい。 -- ゆっくりげん (2010-06-05 19 02 51) 名前 コメント
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※このSSはfuku1450の続きというか、アナザーストーリーです。 ※作者の762さん、勝手に設定を使ってしまい、すいません。 その日、フラワーマスターの異名を持つ風見幽香は酷く機嫌が悪かった。 ゆっくりゆうかのせいである。 本当は違うのかもしれないが、ゆっくりゆうかのせいだと思わなければ、彼女はやっていられないのだ。 苛立ちを、近くにいるゆっくりを全て叩き潰す事で僅かに晴らしつつ、幽香はそこら辺をぶらぶらと散歩し続けた。 『ゆっくり後悔し続けてね!』 その数日前。 幽香は、好奇心に満ち溢れた顔で、道を急いでいた。 自分に似たゆっくりがおり、そのゆっくりは花畑を作っていると言われたためである。 花の妖怪である自分に似ているのだから、ゆっくりだとしても花畑を作り出すのは当然という思いから、幽香は道を急いでいた。 ――ここはこの花よりこっちが良いわ。それに、あそこはもっと肥料をあげないと。あなたが肥料になるかしら? ――あぁ、こんな所に肥料をやっちゃダメじゃないの。あなた、本気で花を育てる気があるのかしら? そんな、大量のダメ出しを夢想している幽香は、自分の口が笑いの形に歪んで来ているとは思いもしなかった。 このフラワーマスター、真性のドSである。 ともあれ、幽香は目的の花畑にたどり着いた。 「なにこれ……」 口だけが笑っていた幽香の表情が、驚愕のそれに変わった。 小さい。 いや、ゆっくりが育てると考えると、大きめなのだろう。そもそも、花畑の大小はその美しさに関連はないと幽香は考えている。 種類が4種類しかない。 これも、ゆっくりが育てている事とここの土壌の質を考えると、これが限界だろう。下手に手を加えては自然の美しさが損なわれてしまう。 全体的に肥料が少ない。 ここに肥料をぶちまけようとする者がいたら、幽香によるマスタースパークでチリと化すだろう。肥料はこのままで良い。 そして、美しい。 幽香が驚いてしまうほどに、多数の花が、最も美しく見える様に考え抜かれた配置で置かれている。 その真ん中にいるゆっくりゆうかを見て、幽香はより驚いた。 泥だらけになりながら、本当に楽しそうに、大事な宝物を扱う様に花を慎重に手入れしている。 ――似ているなんてもんじゃないわよ、あれ。 それは、ただ花と一緒に生きられる事だけで嬉しかった、数百年前の風見幽香そのものの姿だった。 幽香は、無言でその場を後にした。 ダメ出しも何もない。ここは、既に完成した花畑である。 確かにフラワーマスターとしての目から見るとまだアラはあるが、それでも、一個の完成しようとしている作品に手を入れる事はできなかった。 その一時間前。 幽香は、何となく面白くない顔で、道を急いでいた。 自分に似たゆっくりが作り続けている作品の果てを見届けるためである。 果てと言っても、マスタースパークをブチ込んで破壊しようという意味ではない。 むしろ、そんな事をしようとする相手に幽香自身のマスタースパークが5発ほど打ち込まれるだろう。 幽香は、一個のまだ荒削りな芸術作品の完成を見届けようとしているのである。 完成後のダメ出しならばいくらでもするつもりだ。自分が手本を見せても良い。何なら連れ帰っても良い。 太陽の畑を、まだ荒削りなその技術で整えようとして何度も失敗を繰り返し、涙を流しながらも何度もやり直すゆっくりゆうか。 そして、叱りつつも段々と成長を遂げていくゆうかを眺めて良い気分になる自分……幽香の脳裏に、そんな未来が現実感を持って迫っていた。 叱る想像をしたから機嫌が直ったのか、笑顔になって更に道を急ぐドS……もとい、幽香。 だから、幽香は途中で5つの饅頭とすれ違った事に気が付かなかった。いや、気が付けなかった。 その数分後。 幽香は、その場に立ち尽くしていた。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~♪」 「こっちもうめぇよ! ゆっくりできるよ~♪」 「ここはさいこうのゆっくりプレイスだね!」 「ちがうよ! でんせつのゆっくりぱらだいすだよ!」 「ゆっくりぱらだいす!?」 「しっているのかみょん!」 「ちちんぽ……ぜんぜんしらないちーんぽ!」 「じゃあなんでしってるみたいなこといったの? わからないよーwww」 饅頭どもの爆笑に包まれるそこを見た時、幽香は記憶違いだったかと思ってしまった。 それほどに様変わりしてしまった元芸術作品の片隅で、幽香はただ立ち尽くしていた。 ――そう。 4つあった花畑は、全てが色とりどりの薄汚い饅頭どもによって食い荒らされていた。 ゆっくりゆうかはいない。どのゆっくりがやったのかは分からないが、恐らくは殺されたのだろう。食われたのかもしれない。 ――あの子は、もういないのね。 「あれ、そういえばあのこたちとめーりんは?」 「しらなーい、まだいじめてるんじゃない?」 「あのこたちもめーりんいじめがすきだよねーw」 「ほんとーw ゆっくりするほうがたのしいのにねーw」 ――『ゆっくり』理解させてもらったわ。 「そういえば、ここをかってにせんりょうしてたゆうかはどこ?」 「ゆっくりこっちにすてたよ! あれ、いないよー?」 「あのこたちがつれてったよ、きっと、ゆっくりたべるんだよ!」 「れいむたちもたべたいなー」 「あとでもらいにいこうね! よにんだけなんだから、おねがいしたらすぐくれるよ!」 食べる。あの子を『四人組』が食べる。 太陽の畑へと連れ帰る予定だったあの子を。こいつらが、食べる。 ――お礼に『ゆっくり』させてあげるわ。永久にね。 幽香の頭のどこかから、ブチンと何かが切れる音が聞こえた。 同時刻、ゆっくりの群れ。 「あのこたちはすごくゆっくりしてるよね! こんなにいっぱいごはんあるところをしょうかいしてくれたんだもん!」 「だよね! ほんとにあのこたちはゆっくりしてるよ! おれいに、みんなでゆっくりしてあげようね!」 このゆっくりの群れは、今、心の底から幸せだった。 たくさんのごちそうがある。たくさんの仲間と一緒にいる。たくさんゆっくりできる。 それだけの状況が揃っていて、幸せじゃないゆっくりなんてゆっくりじゃない。そう思うほどに、幸せだった。 不意に、パチンと手を叩く音が響いた。 それと同時に、何か粉の様な物体が辺りを舞う。 日の光で美しく輝くそれは、ゆっくり達が初めて見るものだ。 「うわー、あれなにー?」 「ゆっくりしてるね! すごくきれいだよ!」 「ここはみんなのゆっくりプレイスだけど、ゆっくりできるこならたくさんゆっくりしていってね!」 キラキラと輝くそれを、ゆっくり達は幸せそうに眺めていた。 また、ぱちんと手を叩く音が響く。 影が、それに応じてゆっくりの群れの方へと近づいてくる。 ゆっくり達は、自分の願いが聞き入れられたと思い、嬉しくなって飛び跳ねた。 「ゆっくりしていっぐびゅぅ!?」 気の早いゆっくりがそれに頬をすり寄せようと近づいた……と思った直後、突然その場でぶるぶると震え出す。 異様なその状況に、群れのゆっくり達はざわざわと騒ぎながら近づいていった。 「どうしたの? ゆっくりしてよ!」 「どこかいたくしたの? ゆっくりすればなおるよ!」 「なんでなにもいわないの? おくちのなかいたくしたの……ゆびゃぁぁぁ!!! なにごれぇぇぇ!!!」 近づいたゆっくり達が、一斉にその場から飛び跳ねて逃げる。 そこに「あった」のは、もうゆっくりではなかった。 真ん中に杭が打ち込まれた様に、みっちりと何かが詰まっている何か。 仲間だったものの目から口から、皮を突き破ってどんどんと成長を遂げていくそれを見て、ゆっくり達の群れは恐慌に襲われた。 「ゆぎゃぁぁぁ!!!」 「なにごれぇぇぇ!!!」 「ごわいよぉぉぉ!!!」 それぞれに泣き叫ぶゆっくり達。 だが、真の恐怖はこれから始まるのである。 「ゆぎゅっ! ……ぺっぺっ! けむいよ! なにこれ!」 「くちゅん! ゆっくりできないよ! くちゅん!」 仲間だったそれは、今や完全に樹木と化している。 それの先端からぶわっと煙の様な何かが撒き散らされ、周囲は大量の花粉に覆われた。 「ゆぎゃぁぁぁ!!! いだい! いだいよぉがぶぅ!!!」 「なにごれ! なにごれぇぇぇぎゃらっば!!!」 「だずげで、ゆっぐりざぜでぇぇぇえひぃぃ!!!」 ばつんばつんと、音を立ててゆっくり達の体内から、柔らかい饅頭の皮を突き破って樹木が生えていく。 ゆっくり達の群れは、ほどなく樹木の群れへと生まれ変わったのである。 フウバイカ 「風媒花。どう? とてもゆっくりできるでしょう?」 ぽつりと、無表情に幽香は呟いた。 風媒花とは、その名の通り風を花粉の媒介として利用する種類の植物である。 虫を引き付ける必要がないために花びらがないものもあり、またあっても目立たず、香りもほとんどない。花と言えるかどうかも怪しい。 「本当、生物としても食物としても中途半端なこいつらにはお似合いの墓標ね」 その一言を残して、幽香はその場を後にした。 その一時間後。 幽香は、無表情に道を歩いていた。 その目は暗く光っており、下手に触れると消滅させられてしまうのではないかと思われるほどの恐ろしさに満ちている。 幽香は、時々立ち止まっては何かを探す様に周囲を眺めている。 本来ならば、どんな奥地に潜むものであろうと、草花ですぐに探し出す事が出来る。 だが、幽香はあえて自力で見つけ出そうとしていた。 頭に浮かぶのは、僅か数日前に見つけた、泥だらけで楽しそうに花の世話をする数百年前の自分の姿。 その頃は、自分はここまでの大妖怪ではなく、花との関係も友達のそれであった。 数百年前の幽香は、花の妖怪ではなく、花の世話をするのが好きなだけのただの妖怪未満の少女であった。 ならば、花を利用して探し出すなどできっこない。 幽香は、道の途中途中で見つけたしおれた草花を優しく癒してやりながら、無表情に道を歩き続けた。 「見つけた」 呟きが、風に溶けていく。 目の前には、やけに楽しそうな四匹のゆっくり達と、一匹の四角いゆっくり。 幽香は、誰が見ても分かるだろう作り笑顔で憎むべき饅頭どもの前に降り立った。 「こんにちは、ゆっくりしているかしら?」 「ゆっ! おばさんだれ?」 「ゆっくりできるひと? ゆっくりできないならさっさとどっかいってね!」 「ありすはとかいはなんだからさいこうにゆっくりしてるにきまってるでしょ!? おばさんばかなの?」 「むきゅーん! ばかなおばさんとはゆっくりできないよ! さっさとどっかいってね!」 「うーうー♪」 ただ笑顔で話しかけただけの幽香にここまでの暴言を吐く四匹のゆっくりと、何が楽しいのか分からないが、ただ笑っている四角いゆっくり。 だが、ここまでの腐れた根性の持ち主が良く生き延びられたものだと感心するのはまだ早いだろう。 もうすぐ、五匹は終わる。完膚なきまでに。 幽香は内心の感情を押し込めて、張り付いた様な笑顔のままで誘いをかけた。 「残念ね。もっとゆっくり出来る場所に案内しようと思ったのだけれど」 「ゆゆっ! ゆっくりできるところならいきたいよ! さっさとあんないしてね!」 「ゆっくりプレイスはみのがさないよ! さっさとつれていってね!」 「いなかものはむだにもったいぶるからきらいよ! でも、ゆっくりできるならいってあげなくもないわよ!」 「むきゅきゅん! ゆっくりできるところならぱちぇもたくさんしってるけど、おばさんのいってるとこはもっとゆっくりできるでしょうね!?」 「うーうー♪」 早く早くと急かすゆっくり四匹をなだめながら、幽香はゆっくりと歩き出した。 後ろからフラフラと追いかけてくるうーパックも、せっかくだから連れて行く。 その方向は、太陽の畑。 その二時間後。 「「「ここがゆっくりできるばしょなの!?」」」 「うー、ううー♪」 太陽の畑。 そこは、ひまわりが咲き誇る幽香の庭であり、故郷であり、砦でもある場所。 四匹のゆっくりにうーパックを含めた五匹は、珍しそうに辺りを眺めていた。 「ええ、あなたたちにはここで永遠にゆっくりしていただくわ」 そんなゆっくり達に、幽香はキラキラと光る何かを振り掛けた。 「ゆゆっ!? このきらきらしたのなに? きれー」 「あまくないけど、きれいでしあわせー」 「むきゅん! これはきんぱくね! きらきらしてきれいだわ!」 「きんぱくくらい、とかいはのアリスはしってるわ! とかいのマナーのひとつだわ! おばさんにしてはわかってるじゃない!」 「うーうーうー♪」 キラキラと光る何かを振りかけられて、うーパックは素直に喜び、四匹のゆっくり達も口調が悪いが嬉しそうにしている。 「本来ならばあなた達には絶対に寄生しない菌類なのだけど、特別にあなた達のために性質を変えさせてもらったわ」 嬉しいでしょう? と微笑む幽香に、ゆっくり達は大喜びで跳ね回りだした。 「ありがとう! じゃあ、おばさんにはもうようはないからゆっくりどっかいってね!」 「ゆっくりしたかったらべつのところでしてね! ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ!」 「ここはとかいはのアリスたちのゆっくりプレイスにしてあげるわ! ありがたくおもいながらどっかにきえなさい!」 「むきゅ、にんげんがいたらゆっくりできないから、さっさときえてね!」 「う、ううー?」 豹変する仲間についていけないのか、オロオロとしだすうーパック以外のゆっくり達が口々に出て行けと叫ぶのを聞いて、幽香は穏やかに頷いた。 「分かったわ、じゃあ、私はこれで失礼させてもらうわね。あなた達は、永久にそこでゆっくりしていきなさい」 じゃあね、と口の端のみに浮かべた笑顔を残して消える幽香。 「ゆぎゅっ、きえちゃったよ!?」 「にんげんはゆっくりしてないね!」 「むきゅ、これはてじなね、あのおばさんはマジシャンなんだわ」 「ま、まじしゃんくらいはとかいのじょうしきよね! もちろんアリスもおせわしてあげたわ! あのおばさんもアリスをそんけーしてるはずよ!」 ゆっくり達は目の前からいきなり消失した人間に少々面食らったが、ゆっくりできるのだから言う事はない。 お腹が空いたらそこら辺にあるひまわりをかじれば良いし、この辺りには危険な捕食種もいない様だ。 ゆっくり達は、思い思いにゆっくりし始めた。 うーパックはまだオロオロとしていたが、仲間がゆっくりしているのを見て、一緒にゆっくりしたくなったようで、大人しく近くに羽を休めた。 その二時間半後。 「「「ゆっくりしていってね!」」」 ゆっくり達は、ゆっくりするのにもう飽きたらしく、跳ね回って遊んでいた。 「ゆっくりたのしいねー!」 「すごくゆっくりできるよ! さすがまりさたちのゆっくりプレイスだね!」 「むきゅ、ゆっくりできるね。おばさんにごほんもってきてもらえたらもっとゆっくりできたんだけどね。きがきかないわねあのおばさん」 「パチェはほんだいすきなゆっくりだからね! とかいはのアリスは、ほんがなくてもゆっくりできるよ!」 「むきゅ、ただのうてんきなだけよ。アリスは」 「アリスはどっかのゆっくりと『ゆきずりのすっきり』ができたらいいんだもんね! ゆっくりしようよwww」 げらげらと笑い合うゆっくり達。 その様子をのんびりと見守っているうーパックは、ゆっくりしているためか、自分の体内に不思議なかゆみが出てきた事に気付けなかった。 それが、自分の生命を左右するとも知らずに。 その三時間後。 「うー……うー……うぐっ!」 「ゆぎゅ!?」 「ゆあっ!?」 「あぎゃ!?」 「むぎゅ!?」 びくんと、五匹同時にその場に立ち止まった。 異常な何かが、物体となって自分の内側からどんどんと膨れ上がっていく感触。 おぞましいその感覚に、五匹は身を震わせた。 「おばざん! まじじゃんのおばざん! なんがへんだよごれぇぇぇ!!!」 「なにごれ、ぎもぢわるいぃぃぃ! おばざん、ざっざどだずげでよぉぉぉ!!!」 「ぎもぢわるいぃぃぃ! ぎもぢわるいよぉぉぉ! どがいはになんでごどずるのぉぉぉ!!!」 「むぎゅ……きぼぢわどぅい……げほっ、エ”ホッ! ばぎぞうだよぉ……」 「うぐぐぐ……うー! うー! うー!!!」 いくらもがいても、自分の内側から膨れ上がってくる感触が押さえられない。 四匹は、泣き叫んで様々な者に助けを求めた。うーパックは、感触を少しでもどうにかしたくて、ただただ暴れまわっている。 「「「おばざん! おがーぢゃん! ……ぐずめーりん! ざっざどだずげろ!!!」」」 ゆっくりめーりん。ずっとバカにしていたそいつは、先ほど自分達の手で二度とゆっくり出来なくした。 だが、そんな事もアンコ脳には残っていないのか、ゆっくり達は延々と文句を喚き続ける。 「なにゆっぐりじでんのよぉぉぉ! ざっざどごっぢぎでだずげろばがめーりん!!!」 「おまえにやれるのはぞれだげなんだがら、まりざだぢのやぐにだであほめーりん!!!」 「ありずのがわりにいながもののおまえがどうにがじろまぬげめーりん!!!」 「むぎゅ……いらないごっていわれだぐながっだらざっざどだずげにごいぐずめーりん」 口々に怨嗟の声をあげるゆっくり達の目はにごり、もうどれだけの愛好者であってもこんなゆっくりだけは愛せないだろうと思えるほどに醜かった。 そんな中、症状の重かったうーパックが、凄まじい悲鳴を上げた。 「うぎゅあぁぁぁぁぁ!!!」 「「「ゆ……ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!!」」」 がくがくと震えるうーパックの口から目から、様々な場所から、黒色の植物の芽の様なものが次々にはみ出してくる。 そのおぞましい光景に、ゆっくり達は悲鳴を上げる。 だが、慌てて口を閉じ、目を硬くつぶった。 いつ、自分からもあの芽が伸びてくるかわからない。それを考えると、目を開ける事も口を開く事も恐ろしかった。 「無駄よ、それはあなた達の体を突き破って出てくる。口を閉じようが目を閉じようが結末は何も変わらない」 不意に、近くからニンゲンの声が聞こえてきた。 その声が先ほどのマジシャンだと分かったまりさは、即座に口を開いて抗議しだした。 「おばざん! ざっざどまりざだぢをだずげでよ! おばざんがごごにづれでぎだんだがら、おばざんがなんどがじろぉぉぉ!!!」 抗議と言っても、ゆっくりではダダをこねる程度の事しか出来ない。 幽香は、笑顔で一言だけ答えた。 「あなた達を助ける気なんて毛一本ほどもないわ」 更に何か言おうとしたまりさの口から、数本の芽が飛び出してくる。 まりさは、文句を言う気など消えうせ、芽が様々な場所から生えだそうとするその感触を耐える事しか出来なくなった。 四匹のゆっくり達は、完全に寄生植物の宿主と成り果てたのである。 トウチュウカソウ 「冬虫夏草。あなた達に植え付けたのは、そういう名前の植物よ」 あえぐゆっくり達に対して、無表情なままの幽香は、独り言を漏らす様に告げた。 冬虫夏草とは、虫や植物に寄生して成長するタイプの菌類……キノコやカビなどの一種……である。 普通の冬虫夏草ならば、ゆっくりに寄生する事はありえないし、宿主を殺してから成長するのだが、これは幽香の特製である。 このゆっくり達は、もう死ぬ事も動く事も出来ず、冬虫夏草の奇妙な茎部分としてこれからずっと生き続けるのだ。 「あなた達に潰された草花の気持ち、そこでゆっくり理解すると良いわ」 じゃあ、さよなら。一言だけ残して、幽香はその場を後にした。 「まっでぇぇぇ! ゆっぐりざぜでよぉぉぉ!!!」 「おば……おねえざんんん! まりざだげでもだずげでよぉぉぉ!!!」 「ありず、いながものでいいでずがらだずげでぇぇぇ! おねがいでずぅぅぅ!!!」 「むっぎゅー!!! ばぢぇじんじゃう! ほんもよめないごんなどごじゃじんじゃうぅぅぅ!!!」 「うぎゅ……うー……」 五匹がそれぞれに境遇を嘆くその姿を、ひまわりがあざ笑うかの様にゆらゆらと揺れながらただ眺めていた。 花を食べたゆっくりは花に仕置きされるという事で、幽香りんにいじめてもらいました。 このゆっくりは、うーパックも含めて永久に苦しみ続ける事でしょう。 by319 このSSに感想を付ける
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ある所に一匹のゆっくりちるのがいた。 そのちるのは珍しい事に花を育てていた。 ただ、そのちるのは他のゆっくりちるの同様馬鹿だった。 昔ゆっくりゆうかが育てていたのを見ていただけで、ちるの自身は花の育て方を全く知らなかったのだ。 花の育て方を知らないのに花を育てようとする、馬鹿と言わずなんというのだろうか。 当たり前だが、始めの内は何度も花を枯らした。 ある時は水をやりすぎて根を腐らせ、またある時は水をやらなさ過ぎて枯らしてしまった。 それでもちるのは諦めず、その度に何が悪かったのかを足りない頭で考えた。 今は亡きゆっくりゆうかの姿を思い返しながら、自分がゆうかと比べて何をしていないのかを何度も考えた。 そして、その努力が実を結び、ちるのは漸く初めて花を咲かせたのだ。 それはゆっくりゆうかの花畑と比べると、たった一輪の小さい小さい花だった。 あんなに頑張ったのに咲いたのは簡単に踏み潰せてしまう花だったが、ちるのは逆にやる気を燃やした。 他のゆっくりならば割りに合わないと考えるかもしれないのに、ゆっくりちるのは自分でも花を育てられるのだと考えたのだ。 これは、単純な頭を持つゆっくりちるのならではと言えるだろう。 そこから先は少しずつ、少しずつちるのは花の数を増やしていった。 ゆっくり時間をかけて、昔見たゆっくりゆうかの花畑を再現する為に。 花畑が大きくなると、それを邪魔する存在も増えてしまった。 他のゆっくりの存在である。 普通のゆっくりからすれば、草花は食料でしかない。 ちるのの育てた花を狙うゆっくりが現れるのも仕方ないと言えよう。 実際ちるのも、目の前でゆうかの花を食べようと襲撃するゆっくりを見たことが何度もある。 そして、その様な愚かなゆっくりは全てゆうかが倒している姿も見ていた。 だから、同じようにちるのもゆっくりを倒した。 ある時は噛み付いて凍らせ、ある時は後ろから奇襲をした。 襲撃してきたゆっくりを殺す方が楽ではあるが、そうなるとそのゆっくりが暮らすコミュニティを相手にせねばいかなくなる。 そう考えたちるのはゆっくりを殺さないように気をつけた。 返り討ちにすれば、いずれ来なくなる。そう考えた。 何度襲撃されても、生かしたまま追い返した。 何度も何度も… やがて、暑い陽射しが穏やかになり木々に色が付き始めた。 秋の到来である。 この時期になると他のゆっくりは越冬の為に餌集めに必死になる。 それはドスまりさの集落でも変わらない。 今も必死に動けるゆっくりは餌集めに全て出ている。 今この集落にいるのは小さい子供と相談役のぱちゅりーにありす、そしてドスまりさだ。 「食べ物はどれくらい集められた?」 相談役のぱちゅりーに声をかけるドスまりさ。 本当は、聞かなくても分かっているが聞かないと不安なのだろう… 「よくないわ… このままじゃみんなでふゆをこすのはむりね…」 「そう…」 ドスまりさは必死に考える… 皆で冬を越す方法を。 今このドスまりさのコミュニティでは食料が圧倒的に不足していた。 相談役のぱちゅとありすの最初の計算では、当初は越冬に十分な食料が集められてはいた。 それが足りなくなってしまった理由は、食料庫に使っていた洞窟が急な地震で瓦解してしまったのだ。 幸い生き埋めになったゆっくりはいなかったものの、食料が全て埋まってしまった。 すぐに掘り出そうとしたものの、外敵に盗られないようにと奥に置いていた為ゆっくりだけの力では掘り出せそうにない。 慌てて動けるゆっくりは餌集めを開始したが、ドスまりさを中心としたコミュニティは普通のゆっくりのコミュニティに比べると規模が段違いに大きい。 夏頃から準備を始めて間に合うようになるのだから、秋の今から始めても遅いのだ… ドスまりさはある決意をし、二人に話す。 「もし食べ物が足りなかったら… 皆でドスまりさを食べてね…」 自分の大きい体を食べてもらえば、今ある食料と合わせて皆は十分にゆっくりできる。 それならば自分が犠牲になればいい… ドスまりさはそう考えたのだ。 「むぎゅ!? だめよそんなの!!」 「そうよ!! みんなドスまりさがいたからいままでゆっくりできたのよ!!」 当然のように反対するぱちゅりーとありす。しかし、ドスまりさの決意は固い。 「二人ともありがとね… でも、冬で食べ物が足りなかったら皆ゆっくりできないから… だから、ドスまりさが犠牲になるしかないんだよ!!」 それから暫くの間三匹の口論が続く。 ドスまりさは自分の主張を変えず、二匹はそれに反対し続けた。 そんな不毛な議論が続く中、一匹のれいむが帰ってきた。 「みんな~ すごいのをみつけたよ!! これでたべものにはこまらないよ!!」 「「「ゆゅ!?」」」 三匹は一斉にれいむを見つめる。その姿はどこか誇らしげであった。 「れいむ、なにをみつけたの?」 ぱちゅりーが声をかける。れいむが言った『たべものにこまらない』というのが気になったからだ。 それはありすもドスまりさも同じである。れいむの言ってることが本当なら、皆でゆっくりすることができるのだから。 「あのねあのね!! すごいおはなばたけをみつけたんだよ!! あれだけあればみんなでふゆをこせるよ!!」 れいむが見つけたのはゆちるのの花畑である。ゆちるのの頑張りによって、とうとうゆうかのような大きい花畑になってきたのだ。 しかし、何度も言うがそれはゆっくりにとって食料でしかない。 しかも今このドスまりさのコミュニティは越冬の食料が足りなくて困っているのだ。 ドスまりさが出した答えは当然と言える… 「早く皆でご飯を集めにいくよ!! これで皆一緒にゆっくり冬を越せるよ!!」 ちるのは困惑していた… 突然現れたゆっくりの集団に。 今まで何度も襲撃されたとはいえ、数は精々五匹くらいだった。 それが、今は目の前に数え切れない程のゆっくりがいた。数は50匹程度なのだが、ゆちるのは2桁以上の数は数えることができないのである。 それでもゆちるのは諦めなかった。今まで通り相手に噛み付いて凍らせ、動けなくしたら別の獲物を狙う。 しかしやはり多勢に無勢。噛み付いている間に他のゆっくりに攻撃され、次第に皮は破れて動きも鈍くなっていく。 仕舞いにはドスまりさに踏まれてしまい、とうとう動けなくなってしまった。 ドスまりさは大きいゆっくりである。通常のゆっくりの大きさの何十倍もある。 その為ゆちるのが噛み付いても、ドスまりさを凍らせる事はできなかったのだ… 「皆早くどんどん運んでね!! 邪魔者はドスまりさが押さえておくよ!!」 ドスまりさはゆちるのを踏みながらゆっくり達に指示を出す。 この花畑に着いた時、ドスまりさは感動した。 れいむの言った通りそれは大きい花畑で、皆で十分ゆっくりできる量があったからだ。 独り占めしようとしたゆっくりちるのがいたが、それは今自分が押さえている。凍らされたゆっくりは今ありすとぱちゅりーの手で治療中だ。 ドスまりさはゆっくりの神様に感謝した。 これで誰も犠牲にしないでゆっくりできると… このちるのは皆がご飯を運んだら解放してあげるつもりだ。 邪魔もしてきたし、自分の仲間じゃないゆっくりとはいえ殺すのは可哀想と思ったからだ。 自分は優しいゆっくりなのだと、ドスまりさは優越感に浸っていた。 ドスまりさに踏まれているゆちるのは泣いていた。 二度と泣くまいと決めていたのに、泣いていた。 それは花畑を荒らされて悲しかったからではない、守ることができない無力な自分が悔しかったのだ… 自分の師であったゆっくりゆうかの花畑を、自分の手で再現できたのは本当に嬉しかった。 教えを請う事はもうできない。それでも、この花畑さえあればゆっくりゆうかが側にいる気がしたのだ。 それが、また奪われる事が悔しかった。 自分がこんな奴らに負けたせいで、花畑は荒らされてしまった。 相手は殺す気はないようだが、きっと味を占めてここで花を育てる限りきっと来るとちるのは感じていた。 ゆっくりゆうかがいたここで育てなければ意味がない、だけどここで花を育てる限りこいつらは必ず来るだろう。 どうすればいいのか答えを出せない馬鹿な自分に嘆き、ちるのは涙を流し続けた… 「皆つまみ食いしたら駄目だよ!! 早く運ぼうね!!」 勝手に花を食べようとしたゆっくりに注意しながら、ドスまりさは辺りを見回す。 花は無事に運ばれ、辺りは食べることのできない草しか残ってない。 「これでみんなゆっくりできるわね!!」 「ほんとうね!!」 近くにいたぱちゅりーもありすも嬉しそうに笑っている。誰も犠牲にせずにすむ事が嬉しいのだろう。 全てはゆっくりちるののお陰だ。これが食べ物を独り占めしていたお陰で皆が助かったのだから。 「皆ちょっと集まってね!!」 感謝の気持ちを伝える為に、皆を集めたドスまりさ。 「この子にお礼を言うよ!! この子が食べ物を集めてくれてたお陰で皆でゆっくりできるんだからね!!」 少し体を動かして踏んでいるゆちるのから退くドスまりさ。これからお礼を言うのだからいつまでも踏んでいるのは可哀想である。 踏み付けから解放されたゆちるのは羽を動かして近くにいたぱちゅりーに噛み付いた。 「むぎゅぅぅぅぅぅぅぅ!!」 「ぱ、ぱちゅりー!!」 もう花畑はない… 守るものがなくなった今、自分に意味は無い。 ならどうするか… 最後まで足掻き、足掻いて、足掻き続けて殺される。それしかないとゆちるのは考えたのだ。 自分のできる最後の抵抗… いつ潰されても構わない… ただ、黙ってこいつらを見送ることだけはしたくなかった。 手加減も容赦もしない… 完全に凍らせて命を奪う… もう、手加減をするつもりはゆちるのになかった。 「さっさとはなしなさい!!」 飛び掛ってきたありすを凍らせたぱちゅりーをぶつけて潰す。ありすは悲鳴をあげる間も無く絶命した。 「やべでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「ごないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「どぼじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 逃げ出すゆっくりにも容赦はしない。噛み付き、凍らせ、別のゆっくりにぶつける。 それだけで相手は簡単に死ぬし、生かすつもりもなかった。 今はただ、あのでかいのが動く前にできる限りこいつらを殺さなければいけない… 「やべでやべではなじでえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!! まりさはわるくないよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「れいぶがなにをじだのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「わがらないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!! だずけでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 ドスまりさは何が起きているのか分からなかった… 自分たちがお礼をしようとしたら、あのゆっくりはいきなり側にいたぱちゅりーを殺したのだ… 分からない… 分からない… 分からない… 仲間の悲鳴が聞こえるが、なんで殺されなくてはいけないのかわからなかった… ただ、今は止めなければいけないということだけはわかった。 「やぁぁぁぁぁぁぁぁべぇぇぇぇぇぇろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」 今も尚仲間を殺すゆっくりを踏み潰すために、ドスまりさは高く飛ぶ。 しかし、素早いゆちるのは羽を動かしそれを避けまた別のゆっくりに噛み付く。 ドスまりさが着地した場所には凍らされたゆっくりがあり、衝撃に耐え切れず砕け散った。 「よぐもみんなぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」 何度も潰すために飛ぶドスまりさ、それを避けて別のゆっくりを凍らせるゆちるの。 たくさんいたゆっくりはドスまりさに砕かれて、とうとう花畑に残るゆっくりはゆちるのとドスまりさだけになった。 ゆちるのはもう自分が動くことができないと理解した。 元々傷ついていたのに無理やり動かし、冷気を吐いて多くのゆっくりを凍らせる。それはゆちるのの体力を根こそぎ奪ってしまったのだ。 後に残るはあのでかいゆっくりだけ… あれは自分の力では倒せないし、他のゆっくりは全員殺せたのだからゆちるのは満足していた。 あれに潰された後、自分はゆうかに会えるだろうか… 昔みたく馬鹿って言われるのだろうか… そんなことを楽しみに思ってる自分に苦笑しながらゆちるのは目を閉じた。 どうせ死ぬのなら、夢を見たまま死にたいと… 相手が目を瞑ったのを確認したドスまりさは自分のできる最大の跳躍を行った。 自分の身にも支障が出るかもしれないが、仲間を全て殺したあのゆっくりだけはどうしても赦せなかったのだ。 「じねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」 自分の体の奥から、叫ぶドスまりさ。 最大の威力で相手を踏み潰そうとしたのだが、何者かに掴まれてしまい失敗した。 「はなぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 ガラガラの声で、自分を掴む相手に叫ぶドスまりさ。 しかし相手は短く「嫌よ」と言ってドスまりさを投げ飛ばす。 「なんでじゃばをずるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 ドスまりさは悔しかった… 自分は仲間を殺したそのゆっくりを潰したいだけなのに… 頭の良いぱちゅりー、相談相手になってくれたありす、いつも陽気で皆を和ませたれいむ。 みんな… 目の前にいるあのゆっくりが殺してしまった… 「だがらどいでよ!! まりざがかだぎをうづんだがら!!」 「勘違いしてるわよ。あの子が殺したのは最初のありすとぱちゅりーと数匹だけ、他の子は全部凍らせただけで貴方が全部砕いたんじゃない」 「うるざいうるざい!! いいがらどいでよ!! まりざはみんなのがだぎをうづんだがら!!」 「嫌ね、そもそもこの子の花を奪っていった貴方達が悪いんじゃない」 目の前の相手に自分を思いをぶつけるドスまりさ。だが、相手は理解してくれなかった。 「もういいよ!! いっじょにじねぇぇぇぇぇぇぇ!!」 ドスまりさは己の口内に力を溜める。特殊なキノコを燃料とした、光線を発射して邪魔者も一緒に消そうとしたのだ。 だが、相手は持っていた傘をこちらに向けると光の束を放ち、ドスまりさを飲み込んでそのままドスまりさは塵一つ残さず消滅した。 「偽者の偽者如きが、私に敵うわけわけないでしょ」 傘を閉じながら、風見幽香はそう呟いた。 後ろにいる眠ったゆちるのを腕に抱え、軽く撫でる。 「よく頑張ったわね… 偉いわよ」 そのまま空を飛び、幽香は自分の家を目指す。まずはこの子を治療が優先だ。 最近の風見幽香の趣味は『花を育てるゆっくりの保護』である。 ゆっくりにとって食料でしかない花を育てるという変り種が、近頃幽香のお気に入りなのだ。 今回も実はゆちるのが捕まっている頃から見ていたのだが、ギリギリまで手は出さないように幽香はしている。 ただ危なくなったら助けるのではなく、その子のしたい事をやらせてから助けるのだ。 こういう変り種は土壇場で力を発揮すると何度も見てきたので幽香にはわかるのだ。 現にこのゆちるのも、解放されると同時に相手のゆっくりに喰らい付いた。 どのような爆発をみせてくれるのか、それを見るのも幽香の楽しみの一つである。 ゆっくりちるのは夢の中でゆっくりゆうかに出会ったばかりの頃の事を思い出していた。 綺麗なお花畑の中で、7匹のゆっくりに勝ったゆっくりゆうか。 今日の自分は、あのゆうかのように動けただろうか? 夢の中で自問しながら、ゆっくりゆうかと同じお花の香りに包まれゆっくりちるのは幸せそうに眠るのだった… こんな駄文を最後まで読んでいただき本当にありがとうございます!! まさにお目汚し失礼!! wikiの感想フォームに感想書いてくださった方本当にありがとうございます!! 『作者名つけてくれるとありがたい…』との事ですが、勝手に付けちゃって下さい。お任せします。 今までに書いた作品並べます!! fuku1431.txt fuku1438.txt fuku1524.txt fuku1542.txt fuku1608.txt fuku1625.txt このSSに感想を付ける
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書きたかった事 チル裏ログ198の話題から 『全ての虐待作家の虐ゆっくりが同じ世界にいる設定のssがあったらどうなるだろう。 』 というわけで自作のゆっくりを大集合させてみるよ 注意点 もちろん俺設定注意 貨幣価値をおおよそ現代レベルに設定してあります これまで自分が書いたSSに出てきた変わったゆっくりが出てきてます こちらから読んでも問題ないと思います とってつけたような虐待 作者 チェンマガツ うちではゆっくりれいむを飼っている。 ゆっくり屋と呼ばれるゆっくりに関する物をなんでも揃えている店で飼いゆっくり用として売られていたゆっくりを購入したのだ。 最初の頃の苦労を思い出さなければ、れいむとは概ね良好な関係を築けていると思う。 一匹飼い始めると、二匹三匹を数を増やしたくなるのがゆっくりを飼う人の心理だろう。 もちろんゆっくりの性格や行動から一匹でもつらいという人はいるけど。 最近ではれいむも一人では寂しいと言って止まないので、今日はこうしてゆっくり屋に足を運んでいる。 「いらっしゃいませー」 店に入るとと従業員達の明るい声で迎えられた。 店内は中央に様々なゆっくりグッズ、ゆっくりと遊ぶための道具から虐めるための器具まで取りそろえている。 同じ空間にそれぞれが並んでいるところに人間に対するゆっくりの二面性がよく見て取れる。 うちのれいむにも何か買ってやろうかとも思ったが、今日はこっちのスペースよりも店の奥のガラスケースが陳列してあるスペースに用があることを思い出しそちらに向かう。 店に入ってから騒々しい声が聞こえていたのは分かっていたが、ここに近づくと改めて騒がしいと思う。 口々に「ゆっくりしていってね!!」と言っているのはわかるがどいつが言っているのか全く判別付かないほどだ。 ここには様々な種類のゆっくりを取りそろえてある。 ゆっくりの種族はもちろん、赤ゆっくりから成体ゆっくり、はたまた飼い用や餌用と品揃えはかなり多くなっている。 餌用ゆっくりとはいうものの、実際の所はゆっくりを餌として必要なゆっくりを飼っている人は自分で繁殖させていることが多い。 ということはつまりほぼ虐待用ゆっくりということだ。 余談はさておき近くにいた店員を捕まえて新たに購入する飼いゆっくりについて相談することにした。 「すいません、店員さん」 「いらっしゃいませ〜、なんでしょうか?」長い髪を後ろで一つに束ねた清楚な雰囲気の女性の店員だ。 「今うちに一匹れいむを飼ってるんですけど、もう一匹新しく飼うのに良い奴はいませんか?」 「それはお客さん良いタイミングでいらっしゃいましたね!!」 「どういうことです?」 「今日いっぱい変わった子を入手したんですよ。どの子もかわいいんで案内するんで見ていってくださいよ〜」 「それは良かった是非お願いします」 「はい、こちらからどうぞ〜」 店員さんは変わったゆっくりを紹介してくれるようだ。 たしかに新しく飼うのに普通のまりさなんて飼っていても面白味に欠けるのは明白だ。 少し興味が湧いたので店員さんの後を付いていく事にした。 まず店員さんと見て回ったのは赤、子ゆっくりのケースがならんだコーナーだ。 「この子はたぶんすぐ売り切れちゃうと思うんで早い者勝ちですよ〜」 そう言ってガラスケースから出された子ゆっくりはパッと見ただけだとただのゆっくりちぇんだった。 「こいつは普通のちぇんじゃないんですか?」 そう尋ねると店員さんはそのちぇんの顔をこちらに向けてくれた。 「この子の目をよ〜く見てください。ほら、猫の目してるでしょ!」 「おおお、確かに」 目の前に差し出されたちぇんの瞳はどう見ても縦長で普通の猫の目と同じ形だ。 「それに少し話し言葉も変わってるんですよ。ちぇん、ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってにゃー」 「うはあ、かわええ。でもなあ……」 なんだこの破壊的な可愛さは。これは確かに飼いたくなるもとい買いたくなる。 だがしかしこいつを飼い始めると間違いなくれいむはお払い箱だ。 あくまで多頭飼いを目標にしているからそれでは困るんだよなあ。 「ちなみにこいつはいくらなんです?」と恐る恐る聞いてみる。 間違いなく人気商品になるであろう猫目ちぇんだが、せいぜい普通の子ゆっくりの二倍くらいだろうと思っていた。 「この子は15,000円になります」 「なん……だと……」 そこらの子ゆっくりなら300円から高くても3,000円のところを優にその五倍の値段を提示されて驚く。 「人気もあるんですけど、希少価値も含めての値段なのでどうしても高くなっちゃうんですよ〜」 「ぐぐ、それは仕方ない。可愛いけどうちで飼うには可愛すぎて不都合だしな」 「それじゃ、次の子にいきましょうか」 ちぇんはそっとケースに戻される。ちぇんはケースの中でも笑顔でくるくる跳び回っている。 それにしても最後まで可愛らしいやつだったな。 次に案内されたのはケースの棚を背にした位置にあった膝の位置にも届かない低い柵に囲まれたスペースだった。 しかし見たところそこにはぐちゃぐちゃになった毛布しか見当たらない。 「えっと……」 「お〜い、みんなゆっくりしていってね〜」 店員さんはしゃがみ込んで何もいない空間に向かって挨拶をする。 するとどうだ乱雑に置かれていた毛布が動き始めたかと思うとそこからゆっくりらしからぬ速さでゆっくり達が近づいてきた。 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 「うわぁ……」一体この気持ちをどう表現すればいいのだろう。 「気持ち悪いですか?」 「わかります?」 「私は、個人的にですけどとてもかわいいと思うんですけどね〜」 そう言って一番手前にいた変わった形のれいむを持ち上げる。 こいつらの姿をどう形容すればいいのだろうか。丁度麦わら帽子の丸い部分がそっくりゆっくりの顔に置き換わったようだ。 その帽子のつばの部分がうねうねと動いている。 「この子達はですね。跳ねなくなった代わりに速く這うようになったゆっくり達なんですよ〜」 にこやかに説明してくれる店員さんには悪いが、正直こいつらは飼いたくないな。 「ちょっと柵を作ってやれば動けなくなるんで飼いやすいですよ?」 「でもこいつと普通のれいむとじゃめちゃくちゃ相性が悪いですよね」 「そういえばそうですね〜。きっとゆっくりしてよーってなっちゃいますね〜」 こいつらの速さならきっときめえ丸との相性は抜群だろう。 だが如何せん気持ち悪い。 「ちなみにこの子れいむは4,500円、そこの赤まりさは200円になります〜」 まあおそらく飼う事はないだろう。 ふと隣のケージを見てみるとこちらの様子とは全く真逆の様相を呈していた。 過剰なまでに高い柵によりすでに檻のようになっているケージの中に子ゆっくり達が眠っていた。 「やっぱり気になっちゃいますよね〜」 こちらの心を読んだように店員さんが話しかけてきた。 「そちらで寝ているゆっくり達も新しく入荷した変わったゆっくり達なんですよ〜」 とはいうものの見た目では普通のゆっくりと変わらないゆっくり達にこの柵は必要なんだろうか。 「そしたら起こしてみましょうか。ゆっくりしていってね〜」 「「「「ゆゆゆゆ」」」」すると次第に中にいたゆっくり達が目覚め始める 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 「ここまでは普通のゆっくりですね」 「ええ、そしたらこの子達の特徴を直に見て貰いましょうか」 そう言って店員さんがポケットから棒状のゆっくりフードを取り出した。 そしてそれを腰の高さの位置で柵に固定した。 「ほらご飯だよ〜」 しかしその位置では子ゆっくりにはどうやっても食べる事は出来ない。 飛んでも、跳ねても、舌を延ばしても無理だろう。 ところが目の前の子ゆっくりまりさは一度のジャンプで膝くらいまで跳躍し、着地するとゴムボールのように跳ねてゆっくりフードにかじりついた。 「この子達はさっきの子達と逆にものすごく跳ねるんですよ」 なるほど見てみれば赤まりさも赤れいむも跳ねるたびにその高さを増していっている。 「それにこの子達は衝撃に強いから不意の事故にも強いんですよ〜」 店員さんはケージを開いて、高く飛んでいた一匹の赤まりさに思いっきりデコピンをしてみせた。 普通の赤ゆっくりなら間違いなく致命傷になるレベルの攻撃だ。 いきなりデコピンされたその赤まりさはケージ中をスーパーボールのように跳ね転がった。 「どうじでぞんなごどしゅるのー」 「調子に乗って高く跳ねてたらゆっくりできなくなるって何度も言ったでしょ、めっ」 確かに少々高いところから落ちても平気になったが、高くなりすぎるとやはり死んでしまうくらいのダメージを受けるのだ。 「自滅してたんじゃ世話無いですね……」 「だけど大人になれば家の中じゃ死ぬ要素はほぼなくなりますよ〜」 「それなら飼いやすいかもしれないなあ。この子達はいくらなんです?」 一応買う候補に入れるために値段を店員さんに聞いてみた。 「子ゆっくりなら3,000円で赤ゆっくりで200円です〜」 「それなりの値段か。こいつは候補に入れておこうかな」 「よろしくお願いしますね〜」 「あのちなみにこの赤、子ゆっくりのコーナーで一番高いゆっくりはどいつになるんです?」 「それならあの子しかいませんね〜。見てみますか?」 「絶対買わないだろうけど興味はあるからね」 「ではこちらにどうぞ〜」 連れてこられたのは再びゆっくりが入っているガラスケースが陳列してあるスペースだ。見るからにゴージャスな内装で高級感を醸し出しているケースのなかにそいつはいた。 「生まれたての赤ぱちゅりー……ってゴールドバッジをしているじゃないか」 「生まれながらにして優良ゆっくりに認定された卵生ゆっくり五代目のぱちゅりーです」 何年も人間と一緒に過ごして飼い主とゆっくりがとてつもない苦労をしても簡単には得ることができないゴールドバッジを小さい帽子に光らせながら赤ぱちゅりーは静かにこちらを見ている。 「一人称をわたしに変えることもできます。もちろん呼び名を変えても適応できます。 簡単な漢字くらいまでなら記憶できるそうです。健康状態に至っては言わずもがなとても良好なゆっくりぱちゅりーです。」 店員さんが人間関係のルール云々に触れない辺り、当然ルールは守るということなのだろう。 きっと様々な芸も覚える事だろう。いよいよ末恐ろしい赤ぱちゅりーだ。 「ちなみにいくらです?」おそるおそる聞いてみた。 「十万円になります」 「赤ゆっくりが十万……」 通常の飼い赤ゆっくりが50〜100円で販売されているのを考えればとんでもない金額だ。 「遠慮しておきます」 「わかりました〜」 「このコーナーでは変わったゆっくりはこれくらいですか?」 「そうですね〜。あとは大人ゆっくりのコーナーに三体ほどいますのでそちらも見てみますか?」 「あ、よろしくお願いします」 というような会話をしながら二人で成体ゆっくりのコーナーにやってきた。ここにはガラスケースに納められたゆっくりはおらず、すべてケージに入っている。 よくよく考えたら今更面倒なしつけをするくらいなら成体のゆっくりを買った方がいい。 まあしつけされた分値段が上がっているだろうがあの苦労と比べればどっこいどっこいより値段のほうが勝る。 それにうちのれいむはもう成体なわけだし、番になるようなゆっくりを連れて帰った方が喜ぶかも知れないな。 しかし最初に紹介されたゆっくりはどう見てもありえないゆっくりだ。 「その名もプチドスまりさです。ドスとは名前がついてますがこれ以上は大きくなりません。あとただのでぶまりさとも違います」 目の前にいるのは体長でうちのれいむの二倍くらいあるだろうか。体積ならざっと八倍ある計算になる。 「巨大に変異したわけではなく、ドスになるプロセスの解明によるドスの縮小化と思って貰うとちょうどいいかもしれません。頭も結構良いですよ?」 「しかし普通に家の中で飼うにはでかすぎるな」 「そうかもしれませんね〜。それにただ飼うというよりは闘ゆっくり向けのゆっくりですので」 なるほどと思う。重量級の体当たりをメインとした戦い方をするゆっくりに育てたりするのだろうな。 「それにこの大きさじゃ餌が大変でしょ」 「それがネックなんですよね〜。通常の五倍から十倍は必要と考えてもらわなくちゃいけません」 それ故あまり買い手も付かないのだろう。 仕入れたばっかりのくせに帽子に付けられた値札には五万円の数字に横線で修正され、五割引と書かれ、値頃感を出された価格設定になっている。 「たぶんこの子自体は繁殖用に使われるんでしょうね。ささ、次を見てみましょ〜」 プチドスまりさの説明は簡単に終了した。 次に見たのはこれまたパッと見るとただの成体まりさだ。 「こいつはきちんと教育しているまりさとか芸達者なまりさですか?」 「う〜ん、そういった普通のまりさではないんですよ〜」 ちょっと実演してみますねといって店員さんはケージの柵を跨いで入り、まりさに近づいていった。 「おい雌豚ぁ!!」 何事だ店員さん。いきなりのことに目が丸くなった。 さっきまで笑顔を振りまいていたのを急変させまりさを蹴り上げながらさらに罵る。 「なんでゆっくりしてんだよ。豚は豚らしくブヒブヒ言いながら動き回ってろ!!」 「ゆゆっ、もっと蹴ってぶひー」 「主人に命令するったあどういう神経してんだ!!」 ドゴォッという効果音が付きそうなほどの店員さんのすばらしいローキック。 まりさを宙に浮かすことなく衝撃をすべてまりさに蓄積させる技術には舌を巻くしかない。 「ぶひーぶひー」まりさは涙を流しながらも幸せそうな顔をしている。 「これはひどい」 率直な感想だがまりさはそれにも反応して喜んでいる。 「というようなゆっくりまりさです。ドMまりさってところですかね」 「教育というより調教しちゃったわけですね」 「そういうことです。この子に普通に接したら虐待になっちゃうんで心を鬼にしてやらないとダメなんですよ〜」 それもそれだがと思いつつ需要はあるんだろうなと値札の三万円を見て思う。 「子ゆっくりの躾け用に駄目な事をした本人にはこのまりさを痛めつける様子を見せつけるという飼い方もできますよ〜」 「うちのれいむがまだ子供なら良かったけどもう成体だしなあ。これも遠慮しとこう」 「それでは次のゆっくりを見てみましょうか」 やはり成体ゆっくりは色物が多すぎて購入するとなると度胸がいるな。 れいむの相方がゴムボール子まりさで決まりかけていたときとんだ伏兵が現れた。 「ゆっくりしてるかしらありす〜」 「ゆっくりしてるんだぜ!!」 「だぜ?」 店員さんが呼びかけたのはゆっくりありすのはずだが返ってきたのはまりさの言葉だった。 挨拶のしたほうを見やるとそこにいたのはやはりありすだった。 「どうなってるんですこれ」 「どんどん話しかけて上げるといいですよ。言葉が面白い子なんで」 「ありすをほめてもなにもでないんだぜ」 「本人はありす、だけど語尾はだぜ。こういう風に教育したんですか?」 「いえ、まりさとありすの体を横に真っ二つにして上下を入れ替えた改造種のゆっくりなんですよ〜」 「見たところ上半分がありすで下半分がまりさですか」 「そうなんですよ〜」 「ゆゆっおねえさん、ありすのかみをきれいきれいしてほしいんだぜ」 「はいはい」 店員さんはポケットから櫛を取り出しありすの髪を梳いてやった。 「この子は最近流行始めた『だぜありす』なんですよ〜。性格はありすで口癖がまりさなんです。 綺麗好きでまりさが使うような汚い言葉を好みません。さらに『とかいは』という言葉はありすの口癖なのかこの子は使いません。 またまりさ並の運動能力があるので両方の良いところを合わせたゆっくりと言えますね〜。」 「おにいさんもありすがきにいったならさわらしてあげないこともないんだぜ」 「ツンデレはありすの性格なのでどうしようもないですが」と店員さんは苦笑いをする。 こいつなら飼うにしてもうちのれいむと相性がいいかもしれない。 少なくとも今までのゆっくりと比べればの話だが。 カチューシャに付けられた値札を見てみるとなんと一万円と破格な値段だ。 その気になれば自宅でも作る事ができるのでこの価格になってしまうというのは店員さんの言葉だ。 ただしこの店ではそれなりにいいありすとまりさを使っているので野良のゆっくりで組み合わせたものより品質はいいそうだ。 「なあありす、うちにれいむがいるんだが友達になってやってくれないか」 「ゆゆっ、ありすにぴったりなれいむならいってあげないこともないんだぜ」 「ああきっと気に入ると思うぞ」 「お客さんこの子にいたしますか〜」 「そうだなあ。なかなか変わったゆっくりだし、れいむと一緒に飼えそうだからこいつにするよ」 ありすにれいむを拒否する様子がなければそれでいい。 あっさりと『だぜありす』の購入が決まった。 うちに新しいゆっくりを連れて帰るとさっそく二匹は意気投合し始めた。 互いに美ゆっくり同士だから仲良くなるのも早いのだろう。 最初はれいむはだぜありすの言葉遣いに慣れてなかったが性格や振る舞いの良さを見つけると気に入ったようだ。 発育も良く、餌もふんだんにあり、捕食種に追われない生活を送る仲の良いゆっくり達が次第に愛し合うのは自然な流れだ。 しかし出会って二日目で事に及ぶのはどうかと思うが寛大な気持ちでれいむとだぜありすのすっきりーを見守った。 どうやらにんっしんっしたのはれいむの方で目を潤ませながら喜んでいる。 心配されたありすのれいぱー化も全く変身することはなかった。 どうやられいぱー化はありすの下半身側の問題だったらしい。下半身がまりさのだぜありすには関係ない話なのだ。 「ゆゆっ、ゆっくりできるあかちゃんになってね!!」 「ありすとれいむのこどもだからきっとゆっくりできるんだぜ」 「ありす……」 「れいむ……」 そういってちゅっちゅする二匹。おお、うざいうざい。 にんっしんっは植物型だったためれいむの頭の上で目と口だけの赤ゆっくり達が六匹静かに揺れていた。 れいむのにんっしんっから一週間経った頃問題が発生した。 「どぼじであでぃずのごどもがいないんだぜえええええ」 「なんでばでぃざができでるのおおおおお」 れいむにできた六匹の子供のうち三匹はれいむ種だが、もう三匹はどうみても黒い帽子を被ったまりさ種である。 そうなのだ、だぜありすの下半身はあくまでまりさであり、れいむはまりさの子供をにんっしんっしたのと何らかわらない。 そこそこ頭の良い二匹のため、れいむに出来た子供は二匹の子供であると認識しているし、感情的になって子供や母体を攻撃する事もない。 しかし二匹にとって、特にだぜありすにとっては悲劇である。 「まあそう気を落とすなよありす。かわいい子供じゃないか」 「うわ゛ーん、ありずのあかぢゃんはどごだぜええええ」 「今回は諦めな? もう少し時間が経てばお前の中身が混ざってありすの子供もできるかもな」 いくら慰めてもだぜありすはさめざめと泣くしかなかった。 まったくどう飼っていてもそこら中に悲劇しかない動物だなと改めておもった。 あとがき 走り書き万歳。勢いって大事だよね。勢いしかないけどなSSです。 自分の作品には変なゆっくりが多すぎる事が判明しました。 どうみても既存の設定を生かしきれていません本当に(ry ゆっくり達の値段は観賞魚ベースでこれくらいかなーなんて考えてみました。 血統という概念があればもっと高くなるようなきもする。 気になったゆっくり達はどうか手にとって遊んであげてください。 そうするととてもよろこびます。おもに作者が(*´∀`) 今まで書いたSS ちぇんと猫 (猫目ちぇん) ちぇんと死に至る病 (卵生ぱちゅりー) ちぇんとタチ おれがあいつで (だぜありす) ちぇんと幸福論 そういうプレイ (ドMまりさ) ゆっくりでさっぱり (ゴムボールゆっくり) ゆっくりガラパゴス的退化(はぐれゆっくり) 高純度まりさ(プチドスまりさ) 以上のゆっくりの提供でお送りしました。
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最近つくられたその施設は、甘い香りで満たされていた。 「ようこそ、おいでくださりました」 年配の男が一人、立ち上がって少女を迎え入れる。 その出迎えに、少女は恐縮気味にぺこりと頭を下げた。 「すいません、ご多忙の折に無理をいってしましまして」 「いえいえ、構いませんよ」 営業用の笑顔が男の唇に浮かぶ。 「では早速ですが、先日のお約束どおり、今日はうちの施設についてご案内いたしますね」 「お願いします」 簡潔な了承を得て、男は施設の奥へと少女を伴って歩き出した。 ついていこうとする少女。 ふと、真鍮のプレートが視界に入る。 『ゆっくり加工所』 そこが、少女の目的の場所だった。 「ここが、捕獲した『ゆっくり』の貯蔵庫です」 男が背の高い柵を指差していた。 柵の隙間には、押し付けられて膨らんだ顔が並ぶ。 「ゆゆゆ……」 少女が上から覗くと、中にひしめき合う「ゆっくり霊夢」と「ゆっくり魔理沙」の一群。三十匹はいるだろうか。 これは、最近幻想郷で見かけるようになった奇矯な生き物たち。 発生源や種のあらましもまったく不明だが、よく似た顔の実在人物とは関係がないことと、中身が餡子などでできていることだけは知られていた。 幻想郷の甘いものが好きな庶民にとっては、甘味を手の届きやすい値段に押し下げた恩人たちといっていい。 そのゆっくりたちは押し込められ、柔らかい体をひしゃげながら、視線の定まらない瞳で虚空を眺めていた。 「ゆっくり?」 が、その瞳に少女の姿が映し出されるなり、一斉に騒ぎ出す。 「おねーさん、ここからだして! おなかすいたよ! おうちかえる!」 ぽろぽろと涙をこぼしながら、柵をぎしぎしと揺らすゆっくりたち。 「ここにいるのは、全て捕獲したものですか?」 「ええ、お客さんの中には天然ものがいいという方もいるので」 少女と男の会話に、ゆっくりの必死の言葉を意に介した様子はない。 「私なんぞは味にうといものですから、繁殖したものと天然ものの違いなんてわからないのですがね」 ハハハと乾いた笑い声を上げる男。 少女も、お愛想の微笑で応じる。 男は冗談が通じたことに一応の満足。 「では、次はその繁殖場面へご案内します」 「はい」 二人、ゆっくりに背を向ける。 「ゆ! ゆっくりしていってよー!!!」 柵をびりびりと震わす声も、扉を閉めるとかすれて消えていった。 「繁殖の成功と効率化は、この事業が成り立つための最大の課題でした」 しみじみと男は呟く。 男と少女の二人が並んで立つのは、背の低い柵の前。 その中には、ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙が一匹づつ紐で結ばれて転がっている。 「最初に繁殖に成功したのは、この組み合わせです。ですが、問題がありまして」 言うなり、男は無造作に柵に手をつっこむ。 「ゆっ!?」 そのまま、二匹をわしづかみにするなり、手首をぶるぶると小刻みに振るわせ始める。 「ゆー!!! ゆー!!!」 揺すられるがまま、甲高い声を上げ始める二匹。 「ゆー、ゆー、ゆーっ!」 やがて、声がとろんと艶をはらんでいく。 男の手首がさらに激しく蠢動を重ねると、ゆっくりの口がだらしなく開かれ、赤みが濃い色彩を帯び始めた。 「ゆゆゆゆゆゆゆ」 目つきが熱を帯びたところで、男は手を止めた。 「ゆ? ……ゆっくりしていってー!!!」 切なげな声が男の手を追いかけるが、すでに男は少女と向き合っていた。 「こうやって発情させた後、二匹だけにして暗がりに放置しないと繁殖を始めないので、手間がかかる上、数を増やせないという欠点がありました」 「なるほど」 「ですが、ここで繁殖力旺盛なゆっくりアリスという新種を発見したのが事業の転機となりました。今日、ちょうどその繁殖予定日となっています」 男が部屋の奥に視線を投げると、その視線を受けた従業員らしき男が両手にゆっくりを二匹抱えて近づいてくる。 ゆっくり魔理沙より短めの金髪で、赤いヘアバンドが目を引く、珍しいゆっくりだった。 従業員は、柵の中へゆっくりアリスを放り投げる。 「ゆっくりしていってね!!!」 本能なのだろうか。 突如あらわれた同類を見るなり、ゆっくり魔理沙は大きな声でご挨拶。 だが、次の瞬間、表情が固まる。 「まっまっまっ、まりさ!!!」 弾けるように、二匹のゆっくりアリスは魔理沙の元へ。 「ゆ゛っく!?」 定番の台詞も、密着したアリスの頬に邪魔されて満足に動かない。 「ゆ゛っ……ゆ゛っゆゆっ!!!」 それでも懸命に台詞を口にしようと足掻くゆっくり魔理沙の上に、もう一匹のゆっくりアリスが容赦なくのしかかる。 もはや聞こえてくるのは、ゆっくりアリスの荒い息遣いのみ。 ほほをすりあわせて、よだれをこぼしていたアリスも、ぐいぐいと魔理沙を壁際に押さえつけて動けなくする。 壁に押し当てられた魔理沙は、苦しいのかようやく涙がぽろりとこぼれ、間近でその様子を見るはめになったゆっくり霊夢は柵の隅でガタガタと震えだす。 「い゛、い゛や゛あああ」 ゆっくりしていられない、ゆっくり魔理沙の悲鳴。 それも、アリスの声でかき消されていた。 「ゆっくりイってね!!!」 紅潮した声でそろって叫ぶアリスたち。 途端に、ぶるぶると小刻みに震えだした。 「あ、ちょうど繁殖がはじまりましたね」 こともなげに解説をはじめる男。 「もうすぐ、押さえつけられている方が白目を見開いて、裂けそうなほど口を開いた驚愕の表情で固まってしまいます。 そうなると、この個体は徐々に黒ずんで朽ちるのみですが、その頭から蔓のようなものがのび、その先に複数の同種が実ります。ゆっくりアリスの素晴らしい点は、そうなるとすぐに次にゆっくり霊夢で生殖行動を続行することですね」 手馴れた口調で説明を重ねるが、一向に少女の反応はない。 「あ、お嬢さんにはちょっと嫌な光景でしたか。申し訳ありません」 少女の肩が心持ち震えていることに気づいて、男は慌てて謝罪する。 気丈に、少女は微笑んだ。 「いえ、そのことではありません。それに、お願いしたのはこちらですから、お気遣いなく」 男は頭をかきつつ、少女の気遣いに痛み入る。その間にも「ゆっゆっ」と気ぜわしい声が聞こえていた。 「では、こちらはここで切り上げましょう。次は繁殖に成功して増産したゆっくりを使った飼育事業についてご案内します」 異存はない。 「んほおおおおおおおおおおおおお!」 切なげな絶叫が響く部屋を後にする二人だった。 男に案内されたのは、屋外の小屋だった。 いや、二階建ての家屋に等しい大きさでは小屋と言い難い。むき出し木の骨組みと、壁の代わりに金網で覆っただけの粗末なつくりは、小屋そのものではあったが。 男は、ここを厩舎と呼んだ。 「今日は曇り空なので何も覆っていませんが、この生き物は日差しに弱いので、晴天時は上にシートをかぶせています」 そんな説明を聞き流しながら少女が厩舎に近づくと、中から獣のうなり声が聞こえてきた。 「うー! うー!」 奇怪かつ陽気な声に近づいてみれば、ゆっくりの顔の両脇に蝙蝠の翼を生やした、謎の生き物がふわふわと飛んでいる。 「肉まん種の、ゆっくりれみりゃです。ご覧の通りある程度飛べるので、この厩舎は全体を金網で覆っているのですよ」 「ずいぶんと機嫌がよさそうですね」 少女の言葉のとおり、れみりゃは鼻歌が出そうなニコニコ顔で飛び回っている。 「さっき、餌のゆっくり霊夢を与えたからでしょう」 「ゆっくりを?」 「ええ、出荷間近なのでゆっくり霊夢を餌に与えています。味がよくなるとのことで。れみりゃは高級食材などで引く手あまたですから、十分元がとれるといわけです」 なるほど、少女はれみりゃの毛並みの良さの理由がなんとなくわかった。 「大切に育てられているのですね」 「ええ、肉の質を高めるために運動も欠かさずやっています」 男の言葉が合図だったかのように、突然れみりゃが動きを止めた。 れみりゃの視線の先には、れみりゃよりも一回り小さな金髪のゆっくりが一匹。異様さでは類を見ないゆっくりだった。 翼らしきものはあったが、宝石を並べたような代物。瞳は見開いた真紅。 「ゆっくりフランです。」 男にその名を紹介された異種は、れみりゃの周りを満面の笑みで飛び回る。 れみりゃもあどけない笑顔で向き合ってはしゃぎまわっていた。 傍目には、仲睦まじい姉妹かナニカのように見えるのだが。 しかし、それは突然だった。 「ゆっくりしね!!!」 フランの口から拳のようなものが伸び、れみりゃの顔面中央に突きささる。 その拳に顔面をへこまされたれみりゃは呆然と身動き一つしない。 拳がフランの口に戻ってから、ようやくぽろぽろぽろと、とめどなく流れる涙。 「……! ……!!」 口は嗚咽にゆがんで、動転を言葉にする術を知らぬよう。 「うー! うー!」 ただ一匹、フランのみが楽しげに笑っていた。 フランは、再びれみりゃの正面に向きなおる。 「うあー! うあー!」 泣きながら逃げ回るしかないれみりゃ。 「ご覧の通り、なぜかフラン種の方が強いので、フランにはれみりゃを追っかけ回す役をさせています。他にもれみりゃの誘導など、とても助かる存在ですよ」 「牧羊犬みたいなものですか」 少女の言葉に、我が意を得たりといいたげな男の微笑み。 「さて、お次は最後。ゆっくり霊夢、魔理沙からの餡子の回収方法です」 ついにその時がきた。 少女は腕に抱えるそれをぎゅうと抱きしめる。 遠めにもわかる、巨大なゆっくりが部屋の中央の檻に鎮座していた。 その体躯は、高さだけでも少女の背を越していた。 横幅も広く、その重量は計り知れない。 「あれが、巨大種。ゆっくりレティです」 ぷっくりと膨らんだその生物を、男は指差す。 「雑食性ではゆっくりユユコに及びませんが、許容量ではゆっくり一でしょう」 この巨体を前に、男の声は説得力に満ち溢れている。頷くしかない少女。 ゆっくりレティは眠っているのか、目を閉じてくうくうと静かな呼吸音を奏でていた。 遠目には可愛らしいのだが、巨体の異様さは拭いがたい。 「今、先ほどの食料を消化中なのでしょう。そろそろ、お腹が空いて起きる頃です。ちょっとお待ちください」 その言葉を残して、男が部屋から姿を消す。 しばらくして、男はゆっくり霊夢を一匹抱えて戻ってきた。 「おじさん、今日もゆっくりしようね!!!」 その言葉と、黙って抱えられている様子に、ゆっくり霊夢の男への信頼が伺える。 恐らく、その無垢な信頼感は繁殖から育てたゆえだろう。 推察を重ねる少女へ、男は静かに語りかけてきた。 「では始めますよ」 少女の頷きを確認するなり、レティの檻に放り投げられるゆっくり霊夢。 「ゆっ、ゆっくり!?」 遠ざかっていく、ゆっくり霊夢の驚愕の表情。 レティの体躯にあたり、ぽよんとはねて転がる。 同時にのっそりと動き出すレティ。 「ゆゆゆゆゆゆっくりしていってね!!!」 一目散に檻の入り口へ。 しかし。 「早く扉を開けてね!!! 」 すでに男によってロックされた後だった。 地面が揺れる。 ゆっくりレティが飛び跳ねながら近づいてきていた。 「おじさん! ここから出して! もっと、ゆっぐりじだい゛いいいい!!!」 「レティ種は鈍重なので扱いやすいのが利点となります」 扉越しの哀願も、男の穏やかな眼差しを動かすことはできない。 やがて、ゆっくり霊夢の上に差す巨大な影。 レティが、真後ろにいた。 ゆっくり霊夢の顔がくしゃくしゃに歪むのと同時に、開けっ放しのレティの口から分厚い舌がのびる。 霊夢は瞬時に舌に巻き取られた。 「ゆっくりした結果がこれだよ!!!」 悲しげな絶叫を残して、ぺろんとレティの口の中へ。 少女は見た。 飲み込もうとしたレティの口の中にうごめく、何匹ものゆっくりたちを。 レティのベロに抑えられて身動きもできず、滂沱の涙を流して視線を男に向けている。 「レティ種は、リスのように食べきれない分を頬に貯蔵して蓄える癖があるんです。最長で二週間は保存されていますね」 ゆっくりたちの視線に、男は興味を示さない。少女に自らの事業を説明することの方に傾注している。 「餡子の回収は、レティが熟睡した後に、後ろに穴をあけて搾り出します。定量を絞ったら、塞いでまたゆっくりを与えるのです。秘伝のタレを継ぎ足し、継ぎ足し使っている焼き鳥屋を思い浮かべてください」 言われてみれば、寝床に戻るレティの後頭部に隆起部分が。 「ちなみに、一度レティ種に消化させることで、甘味がまろやかになって質がよくなることと、混ざり合うことでの品質の均一化が図れます。生産者にとって大切なことは、量産性と高品質、そしてその維持です。このシステム構築は、私の ゆっくり業者としての矜持なのですよ」 誇らしげな男の言葉が少女の印象に強く残っていた。 職業人魂。 男の言葉を、少女は強く理解できる。 なぜなら、自分も人形という分野で職人的な魂に触れているからかもしらない。 そう。少女は、アリスだった。 可憐な彼女には場違いなその加工所を後にしたアリスは、夕焼けの空に時間の経過を知る。 「今日はずいぶんと大人しかったわね」 一息ついて、見学の間中、両手に抱えていたソレに今日初めて話しかける。 「それにしても、いいお話が聞けたわ、魔理沙」 アリスの腕の中でぶるぶる震えているその生き物は、正確には魔理沙ではない。 数ヶ月前、魔法の森で捕まえたゆっくり魔理沙だった。 「でも、今から震えてどうするの? 魔理沙をあそこに預けるのは、明日よ」 アリスの真顔に、冗談のニュアンスは欠片もない。 「い゛や゛あ……」 ゆっくり魔理沙からこぼれる弱弱しい悲鳴を聞きつけて、アリスは嬉しげな顔を紅潮させる。 「だって、私があんなに優しくしてあげているのに、あなたは逃げ出そうとするんですもの」 言いながら、息も荒くなる。 「だったら、あそこでゆっくりしていってもらうだけよ」 「い゛や゛だあああ! ゆ゛っぐり、じだくない、じだぐないよおおおお!」 「あらあら、ゆっくりにあるまじき言葉ね」 涙やらなにやらで醜く濁ったゆっくりの言葉を、恍惚の表情でまぜかえすアリス。 「どうしても嫌だというのなら、仕方ないわね。その代わり、わかっているかしら?」 「うん! つねったり、踏んだり、……しても、いいから!」 しゃくりあげながらのゆっくり魔理沙を、アリスは一転して慈母の笑みで見つめる。 ぎゅうと、愛情をこめて抱きしめつつ話しかける。 「そこは『いいんだぜ』にしなさい」 「わっ、わかったぜ!!!」 「ああ、本当に可愛い、魔理沙!」 宵闇が迫る夕べを背景に、一つに重なる影。 何やら、それなりに幸せそうな一人と一匹であった。
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いつも襲撃してくるゆっくりを迎撃していてはラチがあかないので逆侵攻することにした。 最近、より大量のゆっくりが一斉に突撃してくるのは、冬ごもりが近い為に手っ取り早く多量の食料を手に入れようと目論んでいるからだろう。 もう収穫期が終わり私の畑には何も無いが、だからといって防御陣地を放棄すると後方の冬小麦が食い荒らされてしまう。 そうなるとひどく面倒なことこの上ない。 他の人里外縁部のように突破不可能な金網でふさぐのはある事情から不可能だった。 ここの防御陣地は他の畑と違って見かけ上突破可能に見えることからゆっくりが襲撃しやすい為に、いつの間にかできていたゆっくり対策委員会にゆっくり誘引撃滅の役目を課されている。 放棄できない、だからと言って突破不能にもできない、だけど楽をしたい、逆侵攻の理由はそんなとこだ。 毎回襲撃時は大規模な群れで一気にやってくるから、事前に連中が一箇所に集まる場所があるのだろう。 (事前に集結しなければ欲望に忠実なゆっくりの事、襲撃タイミングを合わせよう等とはせず五月雨式に襲撃してくる筈だ) その集結地点を突き止めるための方策を考えた。 探すよりは知ってる奴に聞いたほうがはやい、なので捕虜のゆっくりを尋問する。 幸いなことにハーグ陸戦法規に饅頭の人権を考慮するべきとは書かれていないので思う存分聞くことができる。 最近の襲撃で捕らえた紅白饅頭に聞くことにした。 コイツは鉄条網に掛かって瀕死だったところを助けた為にこちらを親切な人間だと思っている、協力的な個体となっている。 「おじさん!たすけてくれてありがとう!!」 いきなりコレだ。鉄条網が我々によって設置されたものだと知らないからだろう。お礼を言われて悪い気はしない。 「うん、無事でよかったよ。ところでお譲ちゃん、こっちに来る前にみんなでゆっくりしたかい?」 「みんなでゆっくりやすんだよ!」 「どんな所か覚えてる?」 「ひろくてゆっくりできるとこ!」 それは分かってるんだよ畜生め。あれだけの数で集結するとしたら、いくら小さいゆっくりとはいえそれなりに広い場所が必要になるのは当然だ。 だが、有益な情報も得られた。「ゆっくりやすんだ」ということは前日に集結し、そこで夜を明かしたということだ。 夜中に奇襲を掛けるという有力な選択肢ができた。 「森の中かい?」 「そうだよ!」 魔法の森の中でそれなりに広いところといえば数が限られる。そのうえ、その少ない広場の幾つかには家が建っているのだ。 厚顔無恥なゆっくりとはいえ人間の家の周りに集まりはすまい。(特に一つはあの人形遣いの家だ) 「そこで一緒にゆっくりしてm「おじさん!おなかすいた!」」 鈍い音が部屋に響く。セリフが耳に入ったとたん、反射的に手が出てしまった。 紅白饅頭は最初何が起こったかわからないという顔だったが、次第に目が潤んでくる。 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛!びどい゛よお゛じざん!!」 「ごめんごめん、蚊が止まってた。」 「ゆ゛っ、そうな゛の?」 いとも簡単に騙される紅白饅頭。 殆どの人が思っていることだろうが、こんなに簡単に騙されるとか己が生態系で占める位置、つまり被捕食者として如何なものだろうか。 「で、お腹がすいたのかい?」 「うん!ごはんちょうだい!ゆっくりまってるよ!」 「みんなでゆっくりする場所を教えてくれたらあげるよ。」 「まりさがニンゲンにおしえるなっていってた!」 「ほう…黒大福め」 今の言葉でこれ以上『平和的』な手段により情報を得るのが不可能とした私は紅白饅頭を掴み、用意しておいた氷水へ突っ込んだ。 身長方向に伸縮しながら水中でブクブクと気泡を吐き出す姿はユーモラスなエアーポンプといったところか。 そのうちに体表が暗い色になりかけ、動きが鈍くなったので引き上げてやる。 「やあ、暖かいから頭がどうかしちゃったのかな?冷たい水でさっぱりした?」 返事は無い。紅白饅頭は呼吸と泣くのと水を吐き出すので大忙しだ。 「おーい。無視しないでくれよ。もう一回水浴びしたいのかい。」 「ゆ゛ぶっ!ばなじまずぅ!ばなずからやめで!」 「おし、キリキリ吐けよ。」 「お゛、おおぎいかわがながれてたよぉ」 泣きながら答える饅頭。 大きい川か…ゆっくり基準なので大小はアテにならんが、そもそも川が流れている森の広場など一つしかない。 「まあいいや、協力に感謝する。ゆっくりしたいか?」 「ゆ゛ゆ゛っ!お゛ながずいだよー!」 約束したからな、食わせてやるよ。 そう思った私は紅白饅頭の頭髪を掴むと廃棄物集積場と書かれた看板の方を向き、全力で投てきした。 「なんて゛なけ゛るの゛おお゛ぉ゛ぉー!」 「ゆっくり食えよ!好き嫌いするんじゃないぞー!」 物理の教科書に載せられるほど美しい放物線をえがいて空中を翔けた紅白饅頭は運動エネルギーを殆ど減じることなく地面に掘られた正方形に近い穴に突入。 気持ち悪いとされる部類に入る表現しがたい着地音のあと、つかの間の静寂が訪れた。 あの紅白饅頭は何処に放り投げられたのか必死に状況把握しようと努めているのだろう。 その努力が終了したことは直ちに判明。 紅白饅頭のひどく腹立たしい悲鳴が飛んできたのだ。 無理もない。あの集積場には商品価値どころか食物としての価値すら失った作物はもちろん、襲撃の度に生産されるゆっくりの死骸も放り込んであるのだ。 ついでに言うと、生き残った個体をバンバン放り込んだ為に集積場から悪臭はしない。 連中は餓死したくない思いでかつての仲間の成れの果てや腐敗一歩手前の作物を食べてくれるので、こちらは快適に過ごせるわけだが。 「そこでずっとゆっくりしてねー!」 「やた゛ああぁぁ!た゛す゛け゛て゛よおし゛さ゛ん!」 こちらがかけた声に紅白饅頭は必死な返事を返した。助けてやらないけどな。 逆侵攻するべき目標は分かったので、人員や襲撃時刻、装備を決定する為にオリーブドラブの天幕へと足を向ける。 紅白饅頭の悲鳴は本当に加虐心をくすぐると思いながら。 夜中に奇襲を掛けるという案は廃された。 幾らなんでも夜中じゃあ妖怪に食われても文句は言えないという意見が会議で多勢を占めた時点でこの案の行く末は見えていた。 では日中襲撃案はどうだったかといえばこれもダメだった。 黒大福のタイムスケジュールからいって午前中はそもそもこっちに襲撃をかけている真っ最中だ。 その後の正午から日没までは襲撃をかける仲間を集めるために森のあらゆるゆっくり営巣地に訪れていると考えられた。 日没後、黒大福は仲間と集結して次の日まで休むわけだが、日付が変わるまではゆっくりが起きている可能性を捨てきれないためこの時間帯も却下。 以上から襲撃時刻は日の出前と決定された。 この時間であれば妖怪もゆっくりもまず確実にお休み中であるからだ。 ゆっくりは生態系の中では明らかに被捕食者だが、日の出までは惰眠を貪るという無防備極まりない生活を送っているのが幸いだ。 連中にとっては不幸以外の何物でもないが。 襲撃時刻の案は決定までに二転三転したが、人員や装備の案はスムーズに決定された。 自警団にしろアマチュアの研究家にしろこちらに派遣できる人員などいないし、装備にいたっては言わずもがな。 こりゃダメかなという雰囲気が漂ってきたところで加工所から来た白衣の男が手を上げた。 人員と装備はウチに任せてください、ちょうどアテがありますという男に対し、そりゃ頼もしいが俺たちは捕獲じゃなくて駆除をやるんだが、とか、来るのはどんな連中なんだ、などの質問が浴びせられた。 説明を行うために立ち上がった男は、研究開発部実験隊が試したいことがあるみたいでと言うと騒がしくなり始めた会議室は静まり返った。 噂に聞く研究開発部実験隊となれば無理もない。 他に案も無いのでその実験隊に人員と装備を頼る案が決定され、会議はお開きとなった。 そのような紆余曲折を経て今の私は明るくなり始めた森、その中でもやや小高くなった場所に陣取っていた。 外の世界から幻想入りした後、香霖堂の主人が拾って河童がそれを買い取り改造、それの複製品を加工所が試験導入したという複雑な経緯を持つ暗視鏡を覗く。 潰れた楕円形に森が切り取られたような場所、川が流れる広場に蠢く物体が見えた。 間違いない、ターゲットだ。 よくも毎回仲間を集めるものだ、襲撃の度に文字通り全滅に近い損害を受けているのに。 それほどまでの繁殖速度だからこそ食料が不足して森の外に出てくるのだろうと思い、暗視鏡から顔をはずして後ろを向く。 見事なまでに華の無い連中の方を向き目標が存在することを伝える。 視界の先の机がライトで照らされており、その上に広げられた地図を使用していることを伝えていた。 加工所研究開発部と書かれたプレートを胸につけた河童の男が了解と返事を寄越し、地図に記入し始めた。 その向こうにはまだ薄暗いためにひどく確認しづらいが、周辺警戒中の男のシルエットが見えた。 同じ型の暗視鏡を覗いて監視継続中の男はさっきの暗視鏡の隣で微動だにしていない。 全員真剣そのものだ。 これなら決行できるだろうと思い、時計を見た。 二つの針はともに5と6の間を指している。 秋真っ盛りの今日、日の出はだいたい6:00なので行動開始時刻は5:30としている。 つまり、いつもの防御陣地で待機している連中にそろそろ連絡せねばならないという訳だ。 地図とは別の机に置いてある受話器を取り、陣地の通信室へ接続。 大気の向こうから電波に乗せられた男の声が耳にガンガン響く。 こんな時間なのにひどく興奮した様子だ、もしかしたらこんな時間だからこそ興奮しているのかもしれない。 とにかく、目標地点にターゲットが所在していることを伝え、直ちに行動開始するよう要請した。 受話器は下ろさない、これから始まることに必要だから。 人々に黒大福と呼ばれ、襲撃の首謀者とされているゆっくりまりさは他の仲間よりもかなり早く目覚めた。 仲間を誘った以上、皆を守るのは自分の役目だとゆっくりとしては立派な部類の事を思ったためだが、一匹だけではできることに限界があった。 まりさにできる事は群れの中心で木箱の上から周囲を見渡すだけだった。 彼女なりに真剣に周辺を眺め回していると、背筋がぞっとする様な音が聞こえてきた。 ニンゲンのはたけできくおとだ! 彼女はこの音の後何が起こるかも知っていた。 先に突進した仲間のゆっくりが突然発生した爆発に粉砕され四方八方に吹き飛ばされるのを何度も見ていた。 はやくみんなでにげないとゆっくりできないよ! そう考えて近い仲間から起こしにかかるが、彼女の心配など知らぬように仲間たちは熟睡している。 「おきて!おきてよ!ゆっくりできないよ!」 「ここでゆっくりしちゃだめだよ!おきて!」 彼女の奮闘空しく、風を切る甲高い音は最大まで大きくなり、群れの一番奥で爆発が発生した。 ゆっくりの体だったものが飛んでくると思い目を閉じて身構えたが、何も飛んでこなかった。 おそるおそる目を開けると爆発が起きた場所にはもうもうと煙が立ちこめ、そこにどんなゆっくりがいたか分からなくなってしまっていた。 爆発音で流石に群れのゆっくりは殆どが起きてきた。 「ゆっくりおはよう!」「ゆっくりもーにんぐ!」 「まりさー、なにがあったの?」 「ゆっくりできないの?ゆっくりしたいよ!」 「あさごはんをはやくゆっくりたべたいよ!」 彼女はここで判断を誤った。 群れが起きた時点でこの広場を離れて森に隠れるべきだったが、幸か不幸か爆発でゆっくりが死んだようには思えなかったのでこの地点に残ることに決めた。 二つ目の風きり音の後に起こった爆発でもゆっくりが死んだようには見えなかった事がその決定を後押しした。 とりあえず全てのゆっくりが起きるまでは出発せず、ゆっくり待つ事にしたために、先ほどの風きり音が複数聞こえ始めた時点ではどうにもならなくなっていた。 視界には相変わらず睡眠中のゆっくりの群れと、その中央、木箱の上で周囲を警戒しているつもりらしいあの黒大福が映っていた。 「ハンマー、ハンマー。こちらグリフィス。評定射、座標4700-1010 標高100 観目方位角2400。集結中のゆっくり。正面150 縦深100」 「こちらハンマー、了解。…発射した。」 かすかな風きり音が聞こえた後、群れの奥で爆発が発生、続いて濃い白煙が発生し始めた。 爆発音で起きたらしいゆっくり共は何事だろうとひどく間抜けな顔を群れの奥に向けている。 「ハンマー。こちらグリフィス。修正射、20下げ。」 「こちらハンマー、了解。…発射した。」 二つ目の白煙は一つ目とは群れを挟んで丁度反対側で発生した。 ゆっくりはそちらの方を一斉に向くが一つ目のときほど驚かない。 おおかたゆっくりが死んでないからゆっくりできるよ!とか思っているのだろう。 こちらから見ると着弾のたびに一匹ほど巻き込まれているんだが。 「ハンマー、こちらグリフィス。10上げ。効力射を要請。」 「ハンマー了解。…発射した。」 最初とは比べ物にならないほどの大量の風きり音。 十秒おきに発生する3つの爆発が群れの中央辺りでゆっくりを殺戮しはじめる。 今度の爆発は2発目までよりも遥かに強力だった。 双眼鏡で群れを見ると、爆発が起きるたびにゆっくりがゆっくりだった物へと変化し、飛び散っていくのが見えた。 硬直しているゆっくりの塊で爆発が起きる。瞬時に餡と皮の混合物へと変化したゆっくりが生きている仲間に降りかかる。 自分にくっついた物が何かを理解したゆっくりが発狂してのた打ち回るのが見えた。 それを見た他のゆっくりも恐怖で混乱し跳ね回っている。 再び爆発が起こり、ゆっくりは恐怖を感じる必要が無くなった。 広場は混乱の中に叩き落されていた。 爆発が起きるたびにゆっくりが2桁単位で殺傷され、辺りに餡を撒き散らす。 弾片で全身を切り刻まれ動けなくなったゆっくりれいむが呻いている。 親友ともいえるゆっくりを心配したまりさ種が砲弾で吹き飛ばされた。 仲間が次々と粉砕され、切り裂かれるのを見たゆっくりありすが全力で逃走する。 地獄のような光景を見て硬直したゆっちゅりーは仲間が自分のほうに突進してきてもその場から動けず、全力逃走中の仲間にひき潰された。 爆発で打ち上げられたゆっくりれいむがつかの間の空中散歩を楽しんだ後、重力の手により仲間のもとへと帰還、まだ小さいゆっくりがつぶされる。 母ゆっくりは子を殺したゆっくりに復讐しようと悲鳴に近い怒声をあげて着地したれいむへと突撃するが、次の瞬間爆発が起きて二匹ともあの世へ旅立つ。 砲弾は区別することなく広場に居る全ての生命に等しく死を与えていた。 母ゆっくりがチビゆっくりを口の中へと避難させているが、遅々として進んでいなかった。 最後の一匹を入れようと大きく口を空けたとき、悲劇は起こった。 天文学的な確率で母ゆっくりの口内へ飛び込んだ155ミリ砲弾は餡子をあっさりと貫通し、ゆっくりと地面の間に飛び出すと同時に信管を作動。 一匹のチビゆっくりの目の前で母と姉たちは破裂し、チビゆっくりは餡子の不細工な化粧をまとった。 他のゆっくりと同様、狂乱し叫びながら暴れ始めたがすぐにそれもできなくなった。 次に発生した爆発で母や姉の所へと旅立ったのだ。 一番悲惨だったのは黒大福と呼ばれるまりさだ。 3発目の爆発のとき何が起きたか分からなかったが、目前の惨状でニンゲンたちがゆっくりを殺そうとしていると気づくと脱兎のごとく逃げ出した。 4発目、5発目と当たることなく逃走し、もう少しで群れを抜けるというところで彼女の幸運は終わった。 黒大福の左右で同時に爆発が発生して爆圧で両側から押し付けられた為に気絶したが、次に飛んできた無数の弾片が両側から饅頭の皮を切り裂き、あまりの痛みにより意識が戻る。 体内の餡子が弾片に無茶苦茶にかき混ぜられた挙句、傷からの流出が始まりまりさは二度と跳ねることができなくなった。 それでも移動はできる辺り、彼女の幸運はまだ残っていたのかと思われたが、何者かに髪を引っ張られて動けなくなったとき、命運は尽きた。 「ゆ゛っ!ゆ゛っ!はなしてよ!まりさはひとりでゆっくりするよ!そっちはゆっくりしんでね!」 「ま゛…さ゛ぁ…ぁ…たす゛…てよ………ぉ…つれて………ぉ…」 「いやだよ!きもちわるいゆっくりなんかつれていかないよ!」 顔だけになった種を判別できないゆっくりがまりさの髪にくっついていた。 まりさは残った力を振り絞って頭を左右に振り、振り落とそうとした。 ズル…という音がして外れたと思ったとき、再び風きり音が聞こえた。 必死に這うまりさが群れを抜けたとき、彼女を追うように群れを外れた砲弾が飛来。 特殊な信管によりまりさの上9mで爆発し、その下にいる生物全てに破片の雨を降らせた。 まりさは全身という全身を破片に貫通され再び気を失ったが彼女にとっての地獄はこれで終わらず、流出により餡子が生命維持に必要な量を下回った時点で危険と判断した体がまりさの意識を再覚醒させた。 砲撃が始まる前にはゆっくりの体で埋め尽くされていた広場は今となっては黒い餡子が埋め尽くしていた。 僅かに聞こえる「ゅ…ゅ…」という音が、息があるゆっくりの存在を示していた。 生き残りを始末するために広場まで来た我々は、何箇所かある比較的原型を保っているゆっくりが固まった山に近づき、確認のために掘り起こした。 殆どの山で生き残りのゆっくりは瀕死のみだったが、ある山から元気な状態の子ゆっくりが20ほど掘り出された。 大型の個体が幾つか子供たちを囲うように絶命しており、複数の家族で互いの子供たちを守ったらしい事が見て取れた。 なんとも感動的だが、全く残念な事にこの努力は無駄な物となるのだが。 「おかあさん!おかあさんはどこ!?」 「おじさん!たすけてくれてありがとう!」 「はやくゆっくりできるところにつれてってね!」 「ほかのゆっくりもはやくたすけてね!」 「ゆっくりしていってね!」 攻撃したのが誰か分からないゆっくり達はこちらに無警戒だった。 うるさいので持ってきた透明ケースに分担して放り込み、閉じ込めた。 ゆっくりは怒った顔でケースを揺すり口を空けているが、何を言っているかは分からない。 防音性能は流石の物だった。 「あのいまいましい黒大福はどうなった?」 「見て下さいよこれ。こいつに相応しい末路ってヤツですよ」 あの憎き黒大福がとうとう年貢の納め時という事で見に行った。 帽子のリボンが特徴的な色をしているゆっくりが平べったくうつ伏せになっている。 間違いない、あの黒大福だ。 「ゅ…ゅっ…」 まだわずかに息があるようで、大福ボディが上下に動いているのがかろうじて見えた。 大福に足をかけて仰向けにひっくり返してやる。 黒大福は恨みがましい視線をこちらに向け、何とか判別できる声量で話し始めた。 「もう…い…でしょ…はやく…まりさをころして…ゆっ…りした…よ…」 「断る。なんで貴様を楽にしてやる必要があるんだ?死は逃げないからゆっくり楽しんでね!」 「……!」 黒大福は絶望した表情を見せながら痙攣し始めた。 どうせコイツはもうすぐ死ぬ、せいぜい苦しんでもらおう。 透明ケースの前で瀕死のゆっくりをかき集めた山を作った。 ケースの中のゆっくりは仲間を助けてくれると思って嬉しそうに跳ねている。 俺たちが山から離れたことには気づいてないようだ。 十分に離れたところで一人が円筒形の物体を取り出す。 ピンを抜いて瀕死ゆっくりの山へ放り投げた。 山頂に落ちると同時にテルミットに点火、アルミニウムが酸化金属から酸素を奪いながら激しく燃焼し山は高温で焼却された。 瀕死ゆっくりが物を言わない炭になった事を確認し、ゆっくりがガタガタうるさいケースを各々で蹴った後に持ち、その場を離れた。 あいかわらず虐殺してるだけのSSです。進歩ないね。 by sdkfz251 このSSに感想を付ける